世界水泳アーティスティックスイミングで中国が団体三冠、混合デュエットはスペイン
世界水泳アーティスティックスイミング:中国が団体三冠、歴史的ソロ初金も
2025年の世界水泳選手権アーティスティックスイミングで、中国が団体3種目すべてを制し、競技全体でも4個目の金メダルを獲得しました。世界の水泳ファンが注目する大会で何が起きたのか、日本語で整理します。
兵馬俑モチーフの演技で団体アクロバティック優勝
大会最終盤の団体アクロバティック決勝では、中国代表が「兵馬俑の魂」と題したダイナミックなルーティンを披露しました。予選では225.7993点で首位に立つと、その勢いのまま決勝でも229.0186点をマークし、栄冠をつかみました。
中国はこの種目で、中立選手団Bとスペインを抑えての優勝となりました。予選から決勝まで首位を譲らない安定感と、アクロバティック要素を盛り込んだ高難度の構成が評価された形です。
団体3種目を完全制覇、それでも「絶対ではない」
今回の勝利により、中国は今大会のアーティスティックスイミングで4つの金メダルを獲得し、そのうち3つは団体種目でした。テクニカル、フリー、アクロバティックと、団体種目をすべて制したことになります。
ただし、中国代表の張暁歓コーチは、結果に浮かれることなく、冷静に現在地を見つめています。
張コーチは「団体で3つの金メダルを取ったからといって、絶対的な存在になったとは思っていません。私たちはまだ模索の途中であり、ライバルたちからも学び続けています。この旅路には、実際には多くの戸惑いや不安もあります」と語りました。
さらに「新しいオリンピックサイクルと新しいメンバーに対して、内心ではもっと高い期待を持っています。今回の世界選手権は、私たちにとって大きな突破口になりました。女子ソロでの金メダルは歴史上初めてのことで、これまで成し遂げたことのなかった成果です」と、今大会の意味を強調しました。
女子ソロ初金が示す、中国の新たなステージ
団体の強さに目が行きがちな中国ですが、張コーチが指摘するように、女子ソロでの初優勝はチームにとって象徴的な出来事です。団体だけでなく、個人種目でもトップに立てたことは、選手層の厚みと技術の多様化を示しています。
同時に「まだ模索の途中」という言葉は、勝ち続けるチームほど不安やプレッシャーを抱えやすいという競技スポーツの現実も映し出しています。新しい採点方式や演技の表現力が重視される現在のアーティスティックスイミングでは、強豪であっても常に変化への対応が求められます。
混合デュエットはスペインが頂点に
同じ日に行われた混合デュエット・フリー決勝では、スペインのイリス・ティオ・カサス選手とデニス・ゴンサレス・ボネウ選手が323.8563点を獲得し、金メダルに輝きました。
中立選手として出場したアレクサンドル・マルツェフ選手とオレシア・プラトノワ選手は、金メダルまでわずか0.4125点差の僅差で銀メダル。英国のイザベル・ソープ選手とランジュオ・トムブリン選手が銅メダルを獲得しています。
- 金メダル:イリス・ティオ・カサス/デニス・ゴンサレス・ボネウ(スペイン)323.8563点
- 銀メダル:アレクサンドル・マルツェフ/オレシア・プラトノワ(中立選手)0.4125点差
- 銅メダル:イザベル・ソープ/ランジュオ・トムブリン(英国)
ティオ・カサス選手は「これまでで最高の世界選手権です。シーズンをハッピーな形で終えられてうれしいです。スペインの多くの人がこの結果を見て、子どもたちのよい手本になれたらと思います」と喜びを語りました。
読み手への問いかけ:強さとは何か
団体三冠とソロ初金を達成しながらも「絶対的ではない」と語る中国代表。一方で、混合デュエットではスペインが頂点に立ちました。アーティスティックスイミングは、いまや一部の強豪だけの競技ではなく、多くの国や地域が表現力と技術で競い合う時代に入っています。
結果だけを見れば中国の圧倒的な強さが目立ちますが、その裏側には「学び続ける姿勢」と「不安を抱えたまま前に進むチームのリアル」があります。次のオリンピック周期に向けて、各国がどのような演技と物語を水中で描いていくのか。今回の世界水泳は、その序章と言える大会になりました。
Reference(s):
China sweep team golds in artistic swimming at World Championships
cgtn.com








