中国第15回全国体育大会のトーチ「ブロッサム」発表 広東・香港・マカオをつなぐデザイン
中国第15回全国体育大会、第12回全国障害者スポーツ大会、第9回全国スペシャルオリンピックスで使用されるトーチ「ブロッサム(Blossom)」が、中国南部の都市・深圳でお披露目されました。広東省、香港特別行政区、マカオ特別行政区という3つの地域を結ぶ文化と、スポーツを通じた一体感を象徴するデザインが注目を集めています。
深圳で公開された「三地一家」のトーチ
式典では、中国第15回全国体育大会のほか、第12回全国障害者スポーツ大会、第9回全国スペシャルオリンピックスで使われる公式トーチが正式に発表されました。愛称は「ブロッサム(花開く)」で、広東省を中心とした嶺南(れいなん)文化を軸に、「三地域は一つの家族」というコンセプトを表現しています。
トーチの主任デザイナーである何也(He Ye)氏は、デザインの核となる思想を「融合と栄光」と説明しています。そこには、広東省・香港特別行政区・マカオ特別行政区のあいだで進む「交流と融合」、そして「共通の繁栄」への願いが込められています。
花と波が語る、広東・香港・マカオ大湾区のストーリー
炎が噴き出すノズル部分は、大会エンブレムの波のような形を取り入れたデザインです。その周囲には、広東省を象徴するカポックの花、香港特別行政区のバウヒニア、マカオ特別行政区のハスの花が絡み合うように配置されています。
3つの花が一体となったモチーフは、「広東・香港・マカオ大湾区(グレーターベイエリア)」の革新性と、多様な文化が交わりながら新しい価値を生み出していく姿を視覚的に表現したものだといえます。
3Dプリントが支える軽量・高強度のトーチ
トーチ本体は、流れるようなラインを持つメタルフレームと、根元にあしらわれた牡丹(ぼたん)の模様が特徴です。牡丹は「富貴」「繁栄」の象徴とされ、3つの開催地域の調和と発展をイメージさせます。
- 高さ:76センチメートル
- 重さ:1.6キログラム
- 炎口の最大直径:125ミリメートル
構造はモジュール式で、主な素材には高強度の3Dプリント不銹鋼(ステンレス)と、耐熱性の高いアルミニウム合金が使われています。最新の製造技術を取り入れることで、軽量性と耐久性を両立させながら、大会の象徴となる滑らかなフォルムを実現しています。
表彰式の音楽・衣装・メダルも同時発表
今回の発表では、全国障害者スポーツ大会の表彰式で使用される勝利セレモニー音楽や、表彰台で着用される公式衣装、メダル「ユナイテッド・ウォームス(United Warmth)」のデザインも公開されました。
勝利セレモニー音楽には、嶺南地域で広く親しまれる名曲「彩雲追月(Color Clouds Chasing the Moon)」の要素が取り入れられています。伝統的な旋律をベースにしながらも、スポーツイベントにふさわしい高揚感のあるアレンジが想像されます。
表彰台の衣装は淡いピンクを基調とし、中国伝統衣装・漢服(ハンフー)の一種である「馬面裙(マーミエンチュン)」を現代的にアレンジしたデザインです。前面が高く平らで、両脇にひだが入る独特の形を生かしつつ、動きやすさと華やかさを兼ね備えています。
スカートには、1輪の牡丹が刺繍されています。これは、中国四大刺繍の一つとされる「粤繍(えつしゅう)」に着想を得たもので、細やかな針仕事を通じて、障がいの有無を問わずすべてのアスリートを祝福する温かさを表現しています。
11月の全国大会に向けて高まる期待
公式発表によると、中国第15回全国体育大会は11月9日から21日まで、広東省・香港特別行政区・マカオ特別行政区の共同で開催される日程とされています。そのおよそ2週間後には、第12回全国障害者スポーツ大会と第9回全国スペシャルオリンピックスが続きます。
トーチやメダル、音楽、衣装といった大会の象徴は、単なる「演出」にとどまらず、地域の歴史や文化、多様性への姿勢を映し出す鏡でもあります。広東・香港・マカオの3地域が共有する嶺南文化と、インクルーシブなスポーツの価値をどう世界に発信していくのか。今回発表された「ブロッサム」のデザインは、その方向性を示す一つのメッセージといえそうです。
Reference(s):
Torch for China's 15th National Games unveiled at ceremony in Shenzhen
cgtn.com








