アルカラスがATPシンシナティ優勝 シナー体調不良で22分の途中棄権
男子テニスの国際大会、ATPシンシナティ・オープン男子シングルス決勝は、世界のトップを争う若手対決が注目されましたが、世界1位のヤニック・シナーが体調不良で途中棄権し、カルロス・アルカラスがわずか20分余りでタイトル獲得となりました。
- 決勝は第1セット途中、シナーの体調不良により22分で終了
- スコアはアルカラスの5-0リード時点でシナーが棄権
- アルカラスは2023年の決勝敗退を経て、念願のシンシナティ初優勝
22分で終わった決勝 シナーはアイスパックを当ててベンチに
現地時間の月曜日に行われたATPシンシナティ・オープン男子シングルス決勝は、今季4度目の決勝対決となるカルロス・アルカラスとヤニック・シナーの顔合わせでした。ウィンブルドン以来となる再戦は劇的なラリー戦になると期待されましたが、試合は思わぬ形で幕を閉じます。
第1セット序盤からシナーは動きの重さが目立ち、アンフォーストエラー(自滅のミス)が9本と精細を欠きました。その間にアルカラスが一気に5ゲームを連取し、5-0と大きくリードします。
チェンジエンドの際、シナーはベンチで頭にアイスパックを当てる姿を見せ、体調の異変をうかがわせました。結局、第1セットの途中でシナーが棄権を申し出て試合終了。コート上にいた時間はおよそ22分という、異例の短さの決勝となりました。
シナー「ファンのためにコートに立とうとしたが…」
試合後、シナーは体調不良が前日から続いていたことを明かしました。
シナーは、前日から体調が優れず、夜の間に回復を期待したものの思うように良くならなかったと説明。それでも、スタンドを埋めたファンの期待に応えたい一心でコートに立ったと語りました。しかし、実際にプレーしてみると、最高レベルの決勝を戦えるコンディションには達していなかったことがはっきりしたとみられます。
無理を押してプレーを続ければ、さらなる体調悪化や長期離脱につながるおそれもあります。短い時間での決断ではありましたが、シナーは自らの健康を優先せざるを得ませんでした。
アルカラスは念願のシンシナティ制覇 2023年の悔しさを晴らす
一方、勝者となったアルカラスにとっては、複雑な思いの中にも大きな達成感があるタイトルとなりました。アルカラスはシナーの体調を気遣い、まずは早期の回復を願うメッセージを送りました。
そのうえでアルカラスは、トロフィーを掲げられた喜びについても率直に語っています。自身は2023年のシンシナティ決勝で敗れており、同じ大会での決勝敗退という悔しさを経験していました。それだけに、今大会での優勝トロフィーには強い思い入れがあったといえます。
アルカラスは、2023年の悔しさを乗り越えてこの大会を制したことについて、長いシーズンを戦い抜くうえでの大きな自信になるはずです。
若きライバル対決は今季4度目 男子テニスの新たな主役たち
アルカラスとシナーの決勝対決は、今季4度目。ウィンブルドン以来となる今大会の再戦は、多くのファンにとって男子テニスの現在地を象徴するカードでした。
今回の試合は本来の力をぶつけ合う展開にはなりませんでしたが、それでも両者がツアーの中心的存在であることは揺らぎません。シナーがコンディションを整え、再び万全の状態でコートに戻ってくることができれば、来季以降も両者の対決は男子テニス界の大きな見どころであり続けるでしょう。
テニスファンにとっては、今回の結果そのものよりも、ライバル関係が今後どのように続いていくのかに注目が集まります。
大会史上3度目の決勝途中棄権 2011年以来の出来事
シンシナティ・オープンの男子シングルス決勝が途中棄権で終わるのは、これが大会史上3度目とされています。直近では2011年、ノバク・ジョコビッチが肩の故障により第2セット途中でプレー続行を断念しました。
四大大会を含む長いシーズンを戦うトップ選手にとって、コンディション管理は勝敗と同じくらい重要なテーマです。今回のように決勝という大舞台であっても、体が持たないと判断した場合には試合を終わらせざるを得ない現実があります。
観客にとっては物足りない終わり方だったかもしれませんが、それでも選手の健康を守ることは何よりも優先されるべきだという考え方が、テニス界でも広く共有されつつあります。
ファンはどう受け止めるか 途中棄権が突きつける問い
今回の決勝は、結果としてアルカラスのタイトルとシナーの途中棄権という対照的な形になりました。しかし、その裏側には、トップレベルのスポーツが選手の心身にどれほど大きな負荷をかけているのかという現実があります。
ファンの立場からは、せっかくのビッグマッチが早々に終わってしまったことへの残念さと同時に、シナーの決断を尊重したいという感情もあるでしょう。アルカラスがまずシナーの回復を願う言葉を口にしたことは、勝者としての姿勢を示すと同時に、同じ競技を共有する仲間への敬意でもあります。
シナーが万全の状態で再びコートに戻り、アルカラスとの真っ向勝負が見られる日が来るのか。今回のシンシナティ決勝は、その次の一戦への期待を、むしろ一層高める結果になったともいえます。
Reference(s):
Alcaraz wins ATP Cincinnati Open after Sinner retires due to illness
cgtn.com








