二度のウィンブルドン女王ペトラ・クビトバ、全米オープンで現役引退
ペトラ・クビトバ、全米オープンで現役に別れ
二度のウィンブルドン制覇を果たしたチェコ出身のテニス選手、ペトラ・クビトバ(35)が、2025年の全米オープン1回戦で敗れたあと、プロテニス界に別れを告げました。約20年にわたるキャリアの締めくくりとして、ニューヨーク・クイーンズ地区フラッシングメドウのコートで感情を込めてファンに挨拶しました。
トップ10常連として走り続けた20年
クビトバは、2011年と2014年にウィンブルドン選手権を制し、四大大会(グランドスラム)通算2勝を記録しました。ツアー通算タイトルは31。世界ランキングの最高位は2位で、女子テニス界を長年けん引してきた存在です。
本人は会見で、自らのキャリアを振り返りながら、プレッシャーとの向き合い方に特に誇りを感じていると語りました。世界1位の座には届かなかったものの、2度のグランドスラム制覇はそれに勝る価値があると受け止めていると明かしています。
産休からの復帰と、あらかじめ決めていたラストマッチ
クビトバは、17カ月にわたる産休を経て今季序盤にツアーへ復帰していました。今年のウィンブルドン開幕前には、今季最後のグランドスラムである全米オープンを現役最後の舞台とする意向を表明しており、その言葉どおりフラッシングメドウでラケットを置く決断を実行した形です。
引退会見では、何を一番誇りに思うかと問われると、多くの場面でトップ10にとどまり続けたこと、そして重圧がかかる場面を乗り越えたことを挙げました。
テニスという競技への深い愛情
クビトバが繰り返し口にしたのは、テニスそのものへの愛情でした。コート上で起こることは、良い結果も悪い結果もすべて自分自身のものだとしたうえで、その自己責任の感覚こそがテニスの美しさだと語りました。
彼女は、これから最も恋しくなるのはテニスそのものであり、試合で戦う時間だと打ち明けました。勝利の喜びだけでなく、敗戦から学び、次に向かうプロセスも含めて、競技生活そのものを大切にしてきたことがうかがえます。
逆境からのカムバックが象徴するもの
クビトバのキャリアを語るうえで欠かせないのが、2016年の自宅への侵入事件で重い手のけがを負いながらもツアーに復帰したエピソードです。この出来事の後も彼女は再び世界のトップレベルで戦い続け、その姿はレジリエンス(逆境から立ち直る力)の象徴として多くのファンの記憶に残りました。
今回の引退表明でも、彼女は自らの立ち直る力と、大舞台でタイトルをつかんだ経験を誇りとして強調しました。単なる勝敗だけでなく、困難を受け止めながらコートに戻り続けた姿勢こそが、クビトバという選手の核心だと言えます。
2025年のテニス界に残した問い
二度のウィンブルドン制覇、31のタイトル、そして数々の困難からの復活。クビトバの足跡は、結果だけを追い求めるのではなく、自分にとって何が誇れるキャリアなのかを問い直すきっかけをテニス界に投げかけています。
世界1位というわかりやすい目標に届かなかったとしても、自らの価値をどう定義するか。クビトバの言葉は、トップアスリートだけでなく、日々プレッシャーの中で働く多くの人にとってもヒントになる視点かもしれません。
2025年のグランドスラムシーズンが終わるなか、ひとりの名選手がツアーを去りました。しかし、そのレジリエンスと試合への姿勢は、これからもハイライト映像や記憶のなかで語り継がれていきそうです。
Reference(s):
Two-time major winner Kvitova bids farewell to pro tennis at US Open
cgtn.com








