全米オープン男子テニス:香港の21歳ウォン、ルブレフに惜敗も大躍進
全米オープンテニスで、香港特別行政区出身の21歳コールマン・ウォンが見せた快進撃が、男子シングルス3回戦でひと区切りを迎えました。世界15シードのアンドレイ・ルブレフ相手にフルセットの熱戦を演じ、敗れはしたものの、今大会のサプライズとして国際ニュースでも存在感を示しました。
香港特別行政区出身・ウォンの「おとぎ話」のような走りに一区切り
ウォンは現地時間の土曜日に行われた男子シングルス3回戦で、ロシアの第15シード、アンドレイ・ルブレフと対戦しました。舞台は全米オープンの会場であるUSTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターのグランドスタンド。フルセットにもつれる激闘の末、スコアは2−6、6−4、6−3、4−6、6−3でウォンが敗れ、ベスト16入りはなりませんでした。
相手のルブレフはツアー優勝経験も多いトップ選手ですが、ウォンは最後まで食らいつき、試合時間を通じてプレッシャーを与え続けました。若さと勢いを前面に出したチャレンジは、観客の大きな拍手を集めています。
予選から本戦3回戦へ ランキング173位からの挑戦
ウォンは現在の世界ランキングが173位。今大会では、本戦ストレートインではなく、予選3試合を勝ち抜いて本戦入りを果たした選手です。スペインにあるラファエル・ナダルのテニスアカデミーで日々トレーニングを積み、着実に力を伸ばしてきました。
今大会での歩みを整理すると、次のようになります。
- 世界ランキング173位で全米オープン予選に出場
- 予選3試合に勝利し、本戦入りを決める
- 本戦で勝ち進み、グランドスタンドでの3回戦に到達
- 第15シードのルブレフ相手にフルセットの末、惜敗
ランキングやキャリアの差を考えれば、ウォンにとって今大会の3回戦進出は大きなステップであり、まさに「おとぎ話」のような躍進だったと言えます。
代名詞は巧みなドロップショット 観客を魅了
この日の試合で特に目立ったのが、ウォンの代名詞とも言える「隠したドロップショット」です。相手にショートクロスや強打を予感させておきながら、ネット際へそっと落とすショットで、ルブレフを何度も前後に走らせました。
読みづらいタイミングとコースに繰り出されるドロップショットは、スタンドを埋めた観客からもどよめきと歓声を引き出し、世界の舞台でウォンのプレースタイルを強く印象づけるものとなりました。
次の目標はトップ100 自信を深めるウォンの言葉
今大会の結果を受けて、ウォンは次の目標として世界ランキングトップ100入りを掲げています。本人は「トップ100に近づいていると自分に証明できた。信じ続けることが大事だと感じている」と語り、自身の成長に手応えをにじませました。
これまで主戦場はチャレンジャー大会と呼ばれる下部ツアーが中心でしたが、ウォンは「少し前までチャレンジャーに出ていた自分が、今は全米オープンで3回戦まで進み、トップ20選手と5セットの戦いができた。これは自分が彼らを本気で追い詰められる力を持っているということだ」と振り返っています。
こうした発言からは、自分のプレーに対する確信が高まりつつある様子がうかがえます。ランキングの数字以上に、世界の舞台で得た経験と自信こそが、今後のキャリアにとって大きな財産となりそうです。
世界1位シナーも苦戦しながら16強へ
男子シングルスでは、ディフェンディングチャンピオンで世界ランキング1位のヤニック・シナーも、苦しい試合を勝ち抜きました。カナダの第27シード、デニス・シャポバロフとの一戦で、第1セットを5−7で落としたシナーは、その後6−4、6−3、6−3と3セットを連取し、逆転勝利でベスト16進出を決めました。
シナーは、ニューヨークで男子シングルスタイトルを連覇する初の選手となることを目指しています。最後に同じ大会でタイトルを守った男子選手は、2008年のロジャー・フェデラーまでさかのぼるとされており、その意味でも今回の全米オープンは男子テニスの歴史に新たな節目を刻む可能性を秘めています。
若手の台頭とアジアからの新たな存在感
今大会の全米オープン男子シングルスでは、シナーのような若いトップ選手がタイトル争いを繰り広げる一方で、ウォンのようにランキング外から一気に注目を集める選手も現れています。テニス界全体で世代交代が進む中、アジアから新たな顔ぶれが世界の大舞台で戦う姿は、今後のツアーの流れを考えるうえでも見逃せない動きです。
香港特別行政区出身のウォンが見せた競り合いと自信に満ちたコメントは、同じ地域やアジアの若い選手たちにとっても大きな刺激となるでしょう。全米オープンという国際ニュースの舞台から、新たなストーリーが次々と生まれ続けています。
Reference(s):
US Open roundup: Wong's fairytale run ends after Rublev thriller
cgtn.com








