全米オープン:サバレンカがペグラ撃破 連覇へ王手の決勝進出
先週木曜夜の全米オープン(テニスの四大大会のひとつ)女子シングルス準決勝で、第1シードのアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)がジェシカ・ペグラ(米国)を4-6、6-3、6-4で逆転。大会2年連続の決勝進出を決め、連覇に王手をかけました。
ペグラを振り切った、3セットの死闘
サバレンカとペグラの対戦は、昨年の全米オープン決勝でも実現しており、そのときはサバレンカが危なげなく勝利しています。今回の準決勝は、その「一方的」だった試合とは対照的に、最後の一球まで流れが読めない接戦となりました。
第1セットはペグラがアグレッシブなリターンと丁寧なサービスゲームで主導権を握り、6-4で先取。サバレンカは持ち前の強打がやや影を潜め、アンフォーストエラー(自滅のミス)が目立つ入りとなりました。
しかし第2セット以降、流れが変わります。サバレンカはリターンゲームで徐々にペースを掴み、ショットに高さとスピンの変化を加えることで、ペグラのテンポを乱していきます。6-3でセットを取り返すと、第3セットも先にブレークして主導権を奪いました。
それでも試合は簡単には終わりませんでした。サバレンカは終盤、2度のマッチポイントを握りながらも、らしくないミスで取り切れません。試合が振り出しに戻る可能性もある中で、3本目のマッチポイントを叩き切るように決めきると、サバレンカはコート上で大きな叫び声を上げました。それは、安堵と意地、そして王者としてタイトルを手放さないという強い意思が混じり合ったような叫びでした。
データで見る、この勝利の意味
今回の準決勝で際立ったポイントを整理すると、次のようになります。
- サバレンカはセットカウント0-1からの逆転勝利
- ペグラとの四大大会での対戦成績をさらに上積み
- 全米オープンで2年連続決勝進出
- 3度目のマッチポイントで試合を締めるメンタルの強さ
内容としては互角、あるいはペグラが押していた時間帯もありましたが、勝負どころで一歩前に出られるかどうかが、グランドスラム後半戦を勝ち抜く選手の条件であることをあらためて示す試合になったと言えます。
セリーナ以来の連覇へ 記録に挑むサバレンカ
サバレンカが今大会で狙うのは、全米オープン女子シングルス連覇という大きな節目です。直近でこの偉業を成し遂げたのは、2012年から2014年にかけて3連覇したセリーナ・ウィリアムズです。
フラッシング・メドウズでトロフィーを続けて掲げることは、それほどまでに難しい挑戦です。ハードコート特有の身体への負担に加え、シーズン終盤に位置する大会であることから、コンディション調整も重要な要素になります。その中で2年連続して決勝の舞台に立つこと自体が、すでにトップ中のトップである証明と見ることもできます。
「あと一歩」のシーズンが育てた強さ
サバレンカの2025年シーズンは、栄光と悔しさが紙一重で並ぶ一年となっています。全豪オープンではマディソン・キーズに敗れて準優勝。全仏オープンでもココ・ガウフに決勝で屈し、あと一歩でタイトルを逃しました。さらに、わずか先月のウィンブルドンではアマンダ・アニシモワに準決勝で敗退しています。
こうした「あと一歩」が続くシーズンを送る中で、サバレンカは折れるのではなく、むしろ粘り強さを増してきました。今回のペグラ戦で見せたような、苦しい展開からでも自分のテニスを取り戻す力は、敗戦の経験から培われたものでもあります。
勝ち続けるチャンピオン像だけでなく、何度も悔しさを味わいながら立ち上がる姿にこそ、今のテニス界でサバレンカが支持を集める理由があるのかもしれません。
決勝の焦点:アニシモワか大坂なおみか
サバレンカは、この勝利によって土曜日に行われる決勝で、第8シードのアマンダ・アニシモワか第23シードの大坂なおみと対戦する権利を得ました。いずれが勝ち上がってきても、決勝は見逃せない一戦になりそうです。
アニシモワは、先月のウィンブルドン準決勝でサバレンカを破っている相手で、フラットで早い攻撃的なショットが持ち味です。一方の大坂は、全米オープンで過去にタイトルを獲得しているビッグサーバーであり、大舞台での強さには定評があります。
サバレンカにとっては、いずれが相手でも簡単な試合にはなりませんが、今季グランドスラムで積み重ねてきた経験をどう決勝戦で表現するかが、大きなポイントになりそうです。
私たちがこの試合から考えたいこと
今回の準決勝は、スコアや記録以上に「強さとは何か」を問いかける内容でもありました。常に圧倒することだけが強さではなく、崩れそうになったときに踏みとどまり、もう一度自分を立て直せるかどうか。その姿勢は、トップアスリートに限らず、日常を生きる私たちにも通じるテーマです。
全米オープンの決勝でサバレンカがどのようなテニスを見せるのか。連覇という結果だけでなく、その過程でどんな物語が紡がれるのかに注目したいところです。
Reference(s):
cgtn.com








