2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪 開会式は史上初の4会場同時開催へ
2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックの開会式が、史上初めて4つの会場に分かれて行われる構想が明らかになりました。都市と山岳の複数会場に競技が広がるこの大会ならではの「分散型」開会式として、国際ニュースでも注目を集めています。
史上最も分散した冬季五輪、その開会式もマルチ会場に
2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪は、イタリア北部のロンバルディア州とベネト州、さらに特別自治州のアルト・アディジェとトレンティーノにまたがる広大なエリアで、2026年2月6日から22日まで開催される予定です。
大会組織委員会によると、開会式も従来のように1つのスタジアムに選手団が集まる形ではなく、4会場にまたがる形式になります。これまでで最も「地理的に広い」冬季五輪にふさわしい、史上初の試みです。
選手入場は4会場で同時に
入場行進にあたる選手団パレードは、次の4会場で行われる予定です。
- ミラノ・サンシーロ競技場(約6万人収容のメイン会場)
- コルティナ(山岳競技の中心地)
- プレダッツォ(ノルディックスキーなどの会場)
- リヴィーニョ(スノーボードやフリースタイルスキーの開催地)
各国選手団は、国旗を掲げるフラッグベアラー(旗手)の先導で、それぞれの会場から入場します。オリンピックとしては初めて、1つの国が2人の旗手を持ち、それぞれ違う会場に登場できる仕組みです。開催国イタリアは特別に男女2人ずつ、計4人の旗手を務めることになります。
会場間は車で数時間かかる場所も多く、選手によっては開会式のために長距離を移動して翌日の競技に備える必要がありました。今回は、コルティナ近郊アンテルセルヴァで競技するバイアスロンの選手はコルティナ会場に、スイス国境に近いボルミオで滑る男子アルペンスキーの選手は、車で約45分の距離にあるリヴィーニョ会場に参加できるようにするなど、競技スケジュールとの両立が図られます。
2カ所で燃える聖火 都市と山の「二つの火」
象徴的な聖火も、今回の冬季オリンピックでは2カ所で灯される計画です。ミラノ中心部のアルコ・デラ・パーチェ(平和の門)と、コルティナの街の中心にあるディボナ広場に聖火台が設置される予定で、都市と山岳、それぞれの会場のシンボルとして燃え続けます。
聖火台の具体的なデザインは、まだ公表されていません。どのように都市と山を表現し、2つの炎を結びつけるのか、今後の発表が注目されます。
コンセプトは「ハーモニー」 分断の時代に送るメッセージ
開会式全体のコンセプトに掲げられているのは、「ハーモニー(調和)」です。都市と山岳という異なる顔を持つ開催地の二面性を示すと同時に、世界的な緊張が高まるいまだからこそ、平和と共生を訴えるメッセージを発信する狙いがあります。
大会組織委員会のアンドレア・ヴァルニエ最高経営責任者は、開会式を「オリンピックへの入口であり、すべての人への招待状のようなもの」と表現しています。スポーツごとに好みは分かれても、「全員が一緒に同じ瞬間を共有するのが開会式」であり、その瞬間が大会の精神を最もよく体現する、と語っています。
開閉会式の演出を担うイタリア人プロデューサー、マルコ・バリッチ氏も、強い平和のメッセージを届けることができれば、この開会式の目的は達成されるとの考えを示しています。バリッチ氏にとっては、オリンピックとパラリンピックを合わせ16回目となる大規模式典の演出です。
アルマーニへの追悼と、今後の発表
開会式では、2025年9月4日に91歳で亡くなったファッションデザイナー、ジョルジオ・アルマーニ氏への追悼の時間も設けられる予定です。ミラノを拠点に世界的なブランドを築いたアルマーニ氏は、イタリアのファッション界だけでなく、同国のイメージそのものを形作ってきた存在でした。
開会式を彩るアーティストなど、いわゆるヘッドライナーの名前は今後発表される見通しです。どのような音楽やパフォーマンスが、「ハーモニー」というテーマを視覚的・聴覚的に表現するのかも、大会に向けた関心事になっていきそうです。
なぜ「分散型開会式」がニュースになるのか
今回のミラノ・コルティナ冬季五輪の開会式は、単に会場が4つに増えるというだけではありません。移動時間の制約でこれまで参加が難しかった選手にも門戸を開き、できるだけ多くの選手が自分の足で入場行進に参加できるようにする試みでもあります。
一方で、複数会場で同時進行する演出や中継をどう同期させ、視聴者に一体感を伝えるのかという技術的・演出的なチャレンジも伴います。都市と山、4つの会場、2つの聖火という「分かれた要素」をどう一つの物語として束ねるのか。その答えが見えるのは、開幕直前の2026年2月6日です。
多様な地域と人々を結びつける「ハーモニー」のメッセージが、どこまで世界の視聴者や現地の観客、そして選手たちに届くのか。来年の開会式は、スポーツだけでなく、国際社会のあり方を静かに問いかける場にもなりそうです。
Reference(s):
Milan-Cortina Olympic opening ceremony will spread across regions
cgtn.com








