中国第15回全国運動会トーチに見る3Dプリンティングとサステナビリティ video poster
中国で開催される第15回全国運動会およびパラ運動会のトーチが、革新的なデザインとサステナビリティで注目を集めています。リードデザイナーのHe Ye氏によると、3Dプリンティング技術を活用した環境配慮型の製造プロセスと、過酷な条件でも燃え続ける炎の設計が大きな特徴です。
3Dプリンティングで実現した環境配慮型トーチ
今回のトーチづくりで最も象徴的なのが、3Dプリンティング技術の採用です。He氏は、全国運動会向けのトーチは生産数量が限られているため、従来のように金型をつくり複雑な工程を踏む方法では、資源の無駄が大きくなると指摘します。
そのため、トーチの製造には3Dプリンティングが選ばれました。この方法であれば、必要な数量だけをその都度つくることができ、専用の金型を新たに準備する必要もありません。結果として、材料やエネルギーの使用を抑えた、より資源効率の高いプロセスが実現したといいます。
スポーツの祭典を象徴するトーチに、こうしたサステナビリティの発想が組み込まれたことは、中国のスポーツイベントや国際ニュースの文脈から見ても、象徴的な動きといえます。
強い日差しや風雨でも「映える」炎を追求
今回のトーチは、デザイン面だけでなく、炎そのものの見え方にもこだわりが詰まっています。トーチリレーの舞台となる広東では日差しが強く、明るい環境でも炎がしっかり視認できることが求められました。
He氏によると、チームは炎の形状や空気と燃料の混合比を細かく調整し、明るさ、色彩、見た目の美しさを最適化したといいます。特にトーチ点火式では、主トーチが完璧なパフォーマンスを見せたと振り返っています。
風にも雨にも負けない設計
トーチリレーの途中では、強い横風にさらされる場面や、滝のそばといった水しぶきがかかる環境もあったといいます。そうした条件のもとでも、今回のトーチは安定して燃え続け、風にも雨にも強いことを証明しました。
炎が消えないことは、トーチリレーの象徴性に直結します。単なる持ち運べる火ではなく、人の思いや熱意をつなぐ象徴として、どのような環境でも確かな光を放つことが求められます。今回の設計は、その期待に応えるものとなりました。
スポーツとサステナビリティが出会う場所
中国の第15回全国運動会およびパラ運動会のトーチは、スポーツとテクノロジー、そしてサステナビリティが交差する象徴的なプロジェクトになっています。
- 限定生産を前提にした3Dプリンティングという選択
- 資源の無駄を抑える設計思想
- 強い日差し、風、雨といった過酷な環境でも映える炎
これらの要素は、これからのスポーツイベントの在り方にも一つの方向性を示しているように見えます。華やかな大会の裏側で、どのように環境負荷を減らし、技術を活用し、人々の記憶に残る体験をつくっていくのか。今回のトーチは、その問いに対する具体的な一つの答えといえるでしょう。
国際ニュースやスポーツビジネスに関心のある読者にとっても、このトーチの事例は、デザインとサステナビリティをどう両立させるかを考える良い素材になりそうです。
Reference(s):
Innovative design and sustainability shine in torch for National Games
cgtn.com








