卓球第15回全国運動会 北京が32年ぶり男子団体V、マ・ロンがキャリアセット達成
中国の第15回全国運動会の卓球競技は今週木曜日に閉幕し、男子団体決勝で北京が上海を3-1で下して32年ぶりのタイトルを獲得しました。長年中国卓球界を牽引してきたマ・ロン(Ma Long)選手にとっては、国内最高峰の男子団体タイトルを手にし、キャリアの集大成となる「キャリアセット」を完成させる優勝となりました。
スコアで振り返る男子団体決勝
卓球男子団体決勝は、北京と上海という強豪どうしの対戦でした。5試合制(先に3勝したチームが勝利)のシリーズは、第4試合で北京が勝利を決めました。
- 第1試合(ダブルス):マ・ロン/ホワン・ヨウジェン(Huang Youzheng、北京) 3-1 シュ・シン(Xu Xin)/ジョウ・カイ(Zhou Kai、上海) 11-9, 5-11, 11-4, 11-7
- 第2試合(シングルス):ファン・ジェンドン(Fan Zhendong、上海) 3-1 ワン・チューチン(Wang Chuqin、北京) 8-11, 11-7, 11-3, 11-9
- 第3試合(シングルス):マ・ロン(北京) 3-0 ジョウ・カイ(上海) 11-4, 13-11, 14-12
- 第4試合(シングルス):ワン・チューチン(北京) 3-0 シュ・シン(上海) 11-8, 12-10, 11-8
第1試合のダブルスと第3試合のシングルスで2勝を挙げたマ・ロン選手、そして第4試合で勝負を締めくくったワン・チューチン選手の活躍が、北京の勝利を決定づけました。
ダブルスで流れをつかんだ北京
試合の口火を切ったのは、マ・ロン/ホワン・ヨウジェン組と、シュ・シン/ジョウ・カイ組によるダブルスでした。スコアは11-9, 5-11, 11-4, 11-7。互いに取り合う展開となりましたが、第3ゲーム以降はマ・ロン組がサービスやレシーブで主導権を握り、北京が先に1勝を手にしました。
団体戦において第1試合のダブルスは、流れを決める重要な一戦です。ここで北京が勝利したことが、後続のシングルスにも精神的な余裕をもたらしたといえます。
パリ五輪王者・ファン・ジェンドンが意地の1勝
第2試合のシングルスでは、上海のエースでありパリ五輪男子シングルス王者でもあるファン・ジェンドン選手が登場。北京のワン・チューチン選手との対戦は、直前のシングルス準決勝の再戦という注目のカードになりました。
ゲームカウントは8-11, 11-7, 11-3, 11-9でファン選手の逆転勝ち。序盤こそワン選手に先行を許しましたが、第3ゲームでは11-3と圧倒し、勝負どころの第4ゲームも接戦をものにして、チームの総合スコアを1-1に戻しました。
マ・ロンが見せた「勝ち切る力」
勝負の分かれ目となったのが第3試合、マ・ロン選手とジョウ・カイ選手のシングルスです。スコアは11-4, 13-11, 14-12とストレート勝ちでしたが、第2・第3ゲームはいずれもデュースにもつれる接戦でした。
それでも最後の1点を取り切るあたりに、長年世界のトップで戦ってきたマ・ロン選手の「勝ち切る力」が表れています。試合のテンポを自分のリズムに引き込み、危ない場面でも崩れないメンタルの強さを示した形です。
この勝利で北京はチームとして2-1とリード。プレッシャーは一気に上海側に傾きました。
世界ランク1位の実力を示したワン・チューチン
後がなくなった上海は、第4試合にベテランのシュ・シン選手を送り出しました。対する北京は、世界トップクラスの実力を持つワン・チューチン選手が登場します。
シュ・シン選手はリラックスした様子でプレーしたとされますが、ワン選手は11-8, 12-10, 11-8と、いずれも競り合いを制してストレート勝ち。要所で鋭いバックハンドやカウンターを決め、世界ランキング1位とされるにふさわしい安定感を見せました。
この勝利により、北京が通算3-1とし、優勝を決めました。
北京にとって32年ぶりの頂点
今回の優勝は、北京にとって32年ぶりとなる全国運動会男子団体のタイトルです。前回大会に続き2大会連続で決勝に進出していた北京ですが、長くタイトルから遠ざかっていました。
今大会では、ベテランのマ・ロン選手と若手のワン・チューチン選手、そしてホワン・ヨウジェン選手らがうまくかみ合い、「世代をまたいだチーム」として結実した形です。長い年月をかけて積み上げてきた強化の成果が、ようやく結果として現れたともいえるでしょう。
マ・ロンが完成させた「キャリアセット」の重み
今回の結果は、北京チームだけでなく、マ・ロン選手個人にとっても大きな意味を持ちます。すでに国際大会で数多くのタイトルを手にしてきたマ・ロン選手ですが、全国運動会の男子団体優勝は、キャリアの中でも長く追い求めてきたタイトルの一つでした。
今大会の男子団体優勝により、「キャリアセット(主要タイトルの完全制覇)」を成し遂げたと受け止められています。ダブルスとシングルスの両方で勝利を挙げ、チームの精神的支柱としても機能した点は、若手が多い北京チームにとって大きな支えになりました。
なぜ全国運動会の卓球が重要なのか
全国運動会は、中国国内で最もレベルの高い総合競技大会の一つとされ、卓球競技には世界トップレベルの選手が各地域の代表として出場します。今回の男子団体決勝だけを見ても、マ・ロン、ファン・ジェンドン、ワン・チューチン、シュ・シンといった世界的スターが一堂に会しました。
国際大会さながらの顔ぶれが国内大会でぶつかり合うことで、日常的に「世界クラスの試合」が生まれていることになります。こうした環境が、中国卓球の層の厚さを支えていると言えるでしょう。
日本の卓球ファンにとっての示唆
日本の卓球ファンや選手にとっても、今回の全国運動会男子団体決勝は、世界のトップレベルを考えるうえで参考になる試合です。ポイントを整理すると、次のようになります。
- ダブルスの重要性:第1試合で主導権を握った北京が、流れをつかんでシリーズを有利に進めました。
- ベテランと若手の融合:マ・ロン選手の安定感と、ワン・チューチン選手の勢いが共存するチーム構成は、長期的な強さにつながります。
- 接戦をものにする力:デュースが続いた第3試合をマ・ロン選手が取り切ったことで、試合全体の趨勢がほぼ決まりました。
- 国内大会=育成の場:世界トップ選手同士の真剣勝負が国内大会で繰り返されることで、次の世代の底上げにつながっています。
今回の北京の優勝とマ・ロン選手のキャリアセット達成は、中国卓球の現在地と、その強さを支える仕組みをあらためて映し出す出来事でした。今後の国際大会で、こうした選手たちがどのような戦いを見せるのかにも注目が集まりそうです。
Reference(s):
Ma Long seals career set as Beijing win table tennis men's team title
cgtn.com








