デビスカップ準決勝 イタリアが劇的勝利で決勝進出 コボッリが7本のMP凌ぐ
男子テニスのデビスカップ準決勝で、2連覇中のイタリアがベルギーを下し、フラビオ・コボッリの劇的な逆転勝利によって決勝進出を決めました。7本のマッチポイント(MP)をしのいだ歴史的なタイブレークは、今大会と選手たちの物語を象徴する場面となっています。
- コボッリが7本のマッチポイントをセーブしてベルクスに勝利
- 最終セットのタイブレーク17-15はデビスカップ史上6番目の長さ
- イタリアは13タイ連勝で決勝へ。ベルレッティーニもストレート勝利で貢献
イタリアがベルギーを2-0で下し決勝へ
ディフェンディングチャンピオンとして2連覇中のイタリアは、ベルギーとの準決勝でダブルスを待たずに2-0で勝利しました。これでイタリアはデビスカップで13タイ連勝中と、勢いをさらに加速させています。
イタリアは決勝で、土曜日に行われるドイツ対スペインの準決勝の勝者と対戦します。スペインは、負傷により世界ランキング1位のカルロス・アルカラスが不在という条件でこの準決勝に臨みます。
コボッリが魅せた「95%ハート」の逆転劇
イタリアの勝利を決定づけたのは、世界ランキング22位のフラビオ・コボッリでした。彼は世界43位のジズー・ベルクス(ベルギー)を、6-3、6-7(5)、7-6(15)で破り、シングルス2試合でイタリアの2勝目を挙げました。会場となったボローニャでは、観客の声援がコボッリの背中を押しました。
試合は第3セットのタイブレークでクライマックスを迎えます。タイブレークは17-15というスコアになり、これはデビスカップ史上6番目に長いタイブレークとされています。ベルクスには7本のマッチポイントがあり、一方でコボッリも6本のマッチポイントを逃しながら、最後はサービスウィナーで試合を締めました。
勝利の瞬間、コボッリはシャツを脱ぎ捨てて歓喜し、ベンチへ走ってチームメートたちと抱き合いました。その後、椅子で涙を流していたベルクスのもとに歩み寄り、肩を抱いて声をかける姿も印象的でした。ベルクスはチームメートに慰められながら、その激闘を受け止めていました。
コボッリは試合後、「僕たちは祖国のため、この勝利のために戦いましたが、最後には自分の夢もかなえることができました」と語り、「チームのみんなと家族のためにプレーしました。今日は僕の人生で最高の日の一つです」と、この一戦の重みを表現しました。
「戦術5%、ハート95%」という評価
イタリア代表のフィリッポ・ボランドリ主将も、この試合を特別なものだと位置づけます。「キャプテンを務めてきた5年間で、あんな試合は見たことがありません。これこそがデビスカップで起きることです。信じられない試合でした」と振り返りました。
さらにボランドリ主将は、試合後にコボッリへ「戦術が5%で、残りの95%はハートだ」と伝えたと明かしています。細かな戦術よりも、国やチーム、家族のために戦う気持ちが勝敗を分けた、というメッセージが込められています。
ベルレッティーニが流れを作るストレート勝利
この日最初のシングルスでは、2021年ウィンブルドン準優勝で、ツアー通算10個のシングルスタイトルを持つマッテオ・ベルレッティーニが、ベルギーのラファエル・コリニョンを6-3、6-4で破り、イタリアに先勝をもたらしました。
ベルレッティーニは第1セットを自らのサービスゲームで締めくくると、第2セット序盤でコリニョンのサービスをブレーク。ただしコリニョンもすぐにブレークバックし、一時は2-2のイーブンに戻ります。それでもベルレッティーニはコリニョンの積極的なショットに耐えながら再びブレークして4-3とリードし、そのまま主導権を渡しませんでした。
最後は第2セットの自身のサービスゲームをラブゲーム(1ポイントも落とさないゲーム)でキープし、最初のマッチポイントをものにして勝利を決めています。この勝利が、続くコボッリの大逆転劇への流れを作ったとも言えます。
中立地開催のファイナル8で浮かび上がる「物語」
現在のデビスカップ・ファイナル8は、大会フォーマットが刷新されてから6回目の開催であり、優勝国は中立地で決まる方式が採用されています。今大会でも、そのフォーマットの中で、イタリアは存在感を示し続けています。
コボッリとベルクスのように、国とチームのために戦う選手たちの姿は、単なるランキングやスコアでは測れないドラマを生み出します。タイブレーク17-15という数字の裏には、両者がマッチポイントを取り逃しながらも、最後まで諦めなかった精神的な攻防がありました。
この試合から見えるもの——読者への問い
今回の準決勝は、単なる「イタリアの勝利」を超えた、いくつかの問いを私たちに投げかけています。
- 個人競技でありながら、「国やチームのために戦う」とき、選手のメンタルはどう変わるのか
- ボランドリ主将の言う「戦術5%、ハート95%」という言葉は、スポーツ以外の場面にも当てはまるのではないか
- 勝者が称えられる一方で、涙を流したベルクスのような敗者の物語を、私たちはどこまで想像できるのか
イタリアがこのまま3連覇を成し遂げるのかどうかは、ドイツ対スペインの勝者との決勝戦次第です。ただ、今回の準決勝で見られたような「心の勝負」は、結果とは別に、デビスカップという大会の価値を改めて浮かび上がらせる出来事だったと言えます。
Reference(s):
Cobolli sends defending two-time champions Italy into Davis Cup final
cgtn.com








