NBAクリス・ポールが今季限りで引退へ 21年のキャリアに幕
NBAロサンゼルス・クリッパーズのポイントガード、クリス・ポール選手(40)が、21年目となる今季終了後に現役を引退すると表明しました。現在もアシストとスティールでリーグを牽引する司令塔の決断は、NBAの世代交代を象徴するニュースとなっています。
SNSでの一言から始まった「ラストシーズン」宣言
クリス・ポールは週末、自身のSNSに英語で「What a ride… Still so much left… GRATEFUL for this last one!!」と投稿し、今季がラストシーズンになることを示唆しました。長い旅路への感謝と、最後のシーズンを楽しもうとする前向きな姿勢がうかがえるメッセージです。
21シーズンにわたってNBAでプレーし続けること自体が、ごく一部の選手にしか許されないキャリアです。その終わり方を、自らの言葉で静かにファンへ共有した形といえます。
アシストとスティールで歴史に名を刻むNBA司令塔
ポールはこれまでにNBAオールスターに12回選出され、守備面での評価を示すオール・ディフェンシブチームにも9回名を連ねてきました。攻守にわたり、リーグを代表するポイントガードとして長年プレーしてきた存在です。
現在も、リーグ現役選手の中でアシストとスティール(スティールはボール奪取)の両部門でトップに立っており、通算でもどちらの部門でも歴代2位。いずれも殿堂入り選手ジョン・ストックトンに次ぐ位置で、数字の上でもNBA史に刻まれる選手であることが分かります。
キャリア平均は1試合あたり16.9得点、9.2アシスト。得点と味方を生かすプレーを高いバランスで両立してきた選手といえます。
さらに、通算2万得点と1万アシストの両方を達成しているのは、ポールと長年のライバルであるレブロン・ジェームズの2人だけです。高い得点力とゲームメイク能力を長期間維持してきた証しであり、極めて稀な偉業です。
試合でも記録更新 2万得点・6000リバウンド・1万2000アシストの大台に
引退の意思を示した後に行われたシャーロット・ホーネッツとのアウェー戦では、ポールは3得点、3リバウンド、8アシストを記録し、チームの131対116での勝利に貢献しました。
この試合で、ポールはキャリア通算で2万得点、6000リバウンド、1万2000アシストを突破。NBAの歴史の中で、これら3つの数字すべてを超えた初の選手となりました。単に「長くプレーしただけ」では到達できない水準であり、長年にわたる高いパフォーマンスと役割の変化への適応力を示しています。
ニューオーリンズからクリッパーズへ 21年の軌跡
ポールがNBA入りしたのは2005年のドラフトです。名門ウェイクフォレスト大学での活躍を経て、ニューオーリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)に全体4位指名で入団しました。
ニューオーリンズで6シーズンを過ごした後、ポールはロサンゼルス・クリッパーズに移籍します。そこでブレイク・グリフィン、ディアンドレ・ジョーダンらとともに、豪快なアリウープを武器とした「ロブシティ」時代を築き、チームのイメージを大きく変えました。
その後も、ヒューストン・ロケッツ、オクラホマシティ・サンダー、フェニックス・サンズ、ゴールデンステイト・ウォリアーズ、サンアントニオ・スパーズと、複数のチームを渡り歩きながら、それぞれのチームで司令塔として存在感を発揮してきました。
さまざまなシステムやチーム文化に適応しつつ結果を出し続けてきた点も、ポールのキャリアを語るうえで欠かせないポイントです。
クリッパーズで迎える「終着点」 仲間たちの視線
現在所属するクリッパーズのタイロン・ルー監督は、ポールの長年の実績について「語るまでもないほど明らかだ」という趣旨の評価を示し、キャリアの最終章をロサンゼルスで迎える意味の大きさを強調しました。
同じバックコートでプレーするジェームズ・ハーデンも、ポールのリーダーシップと安定感が、彼が所属したすべてのチームの在り方を形作ってきたと語っています。スタッツだけでは測りきれない「試合の整え役」としての価値が、チームメイトの言葉からもにじみ出ています。
ポール引退が示すNBAの世代交代
40歳のクリス・ポールが引退を決断したことで、2000年代半ばからリーグを支えてきたスター世代の「その後」に、改めて注目が集まりそうです。レブロン・ジェームズをはじめとする同世代のベテランたちも、いつかは同じ決断を迫られます。
一方で、若い世代のガード陣が台頭する現在のNBAにおいて、ポールのように「ゲーム全体をコントロールする司令塔」の価値はどう引き継がれていくのかという問いも生まれます。スピードや得点力だけでなく、試合の流れを読む力や味方を生かす技術が、これからどのように評価されていくのかは、多くのバスケットボールファンにとって興味深いテーマでしょう。
長くNBAを追いかけてきた人にとっては、ポールの引退は自分自身の「バスケ観」の変化を振り返るきっかけにもなりそうです。あなたにとってのクリス・ポールのベストシーンはどの瞬間だったのか。そんな問いを心に浮かべながら、残りのシーズンを見届ける時間が続きます。
Reference(s):
Chris Paul to retire at end of season, closing out 21-year NBA career
cgtn.com








