F1ラスベガスGPでフェルスタッペン優勝 マクラーレン両車失格でタイトル争い激化
四連覇中のF1王者マックス・フェルスタッペンがラスベガスGPで勝利し、レース後にマクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリが失格となったことで、今季のF1世界選手権のタイトル争いが一気に緊迫しています。
ラスベガスGPで何が起きたのか
土曜日に行われたF1ラスベガス・グランプリで、四度のタイトルを守り続けているマックス・フェルスタッペンがマスタフルな走りを見せて優勝しました。
一方で、選手権リーダーのランド・ノリスと、その最も近い追走者であるオスカー・ピアストリのマクラーレン勢は、レース後の車検で痛恨の判定を受けます。ノリスは当初2位、ピアストリは4位でフィニッシュしていましたが、両マシンのフロア下面に取り付けられたスキッドブロック(車体下面の摩耗を測る部品)が、規定の最低厚さを満たしていないことが判明し、2台とも失格となりました。
スキッドブロック違反が意味するもの
スキッドブロックは、マシンが路面に近づきすぎていないかを確認するための部品で、レース中の摩耗量には厳しい基準が設けられています。規定よりも薄くなっていたということは、車高を攻めすぎていた、あるいは想定以上に路面と接触していた可能性を示します。
マクラーレンはパフォーマンスを追求するあまり、そのバランスをわずかに崩し、タイトル争いの真っ只中で高い代償を払う形になりました。
タイトル争い:残り2戦で三つ巴の様相に
マクラーレン両車の失格により、ポイント情勢は大きく変わりました。残りはカタールとアブダビの2レース週末のみで、獲得可能な最大ポイントは58です。そのなかで、状況は次のようになっています。
- 四連覇中のフェルスタッペンは、ピアストリと同ポイントで並ぶ
- フェルスタッペンとピアストリは、ともにノリスから24ポイント差
- ノリスは依然としてランキング首位を維持
- 残り2戦のうち次戦カタールはスプリントを含む週末
- ノリスはそのカタールで、フェルスタッペンとピアストリの両者より2ポイント多く獲得すれば、自身初のワールドタイトルが確定
一方で、フェルスタッペンの五連覇の可能性は、ノリスかマクラーレンチームが再び大きなミスを犯すかどうかに大きく左右されると見られています。
ノリスの心境:「多くのポイントを失うのはつらい」
大量ポイントの喪失となったノリスは、チームの声明で率直な思いを述べています。
ノリスは、多くのポイントを一度に失ったことについて「本当にフラストレーションが溜まる」としたうえで、チームとして常に最大限のパフォーマンスを追い求めているものの、「きょうは明らかにそのバランスを誤ってしまった」と振り返りました。そして、「今さら結果を変えることはできない。気持ちを切り替えてカタールに集中する」と、次戦に向けて前を向く姿勢を示しています。
マクラーレンの説明:予想外のポーポイズと「過度な接地」
マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラは、失格の原因について、予想外に大きなポーポイズ現象が発生し、その結果マシンが路面と「過度な接触」を繰り返したことがスキッドブロックの摩耗につながったと説明しました。
ポーポイズとは何か
ポーポイズとは、高速域でマシンが上下に激しく揺さぶられる現象を指します。空力の影響で一度路面に吸い付くように沈み込み、その後一気に跳ね上がる動きを繰り返すことで、ドライバーの負担だけでなく、マシンのフロアへのダメージも増大します。
ステラは、チームがこの影響を十分に見積もれておらず、その結果としてスキッドブロックの規定違反につながったとし、「ランドとオスカーの強い走りに見合う結果を失わせてしまったことを申し訳なく思う」と、タイトル争いの重要な局面での失格を謝罪しました。
フェルスタッペンとノリス、主導権を握るのはどちらか
数字だけを見れば、依然として主導権はノリスにあります。残り2戦でライバル2人よりわずか2ポイント多く稼げば、初のワールドタイトルが決まるからです。リスクを抑えつつ確実にポイントを積み上げる戦い方が求められます。
一方のフェルスタッペンにとっては、ラスベガスでの勝利とマクラーレンの失格により、一度は遠のきかけたチャンピオンシップが再び手の届くところまで近づきました。とはいえ、24ポイント差を逆転するには、次戦以降も自らが高いパフォーマンスを維持しつつ、ノリス側にさらなる取りこぼしが出ることがほぼ前提となります。
残り2戦の焦点
- ノリスが安全志向に振れるのか、それとも攻め続けるのか
- マクラーレンがセットアップと車高管理をどこまで慎重に見直せるか
- フェルスタッペンとピアストリが、ノリスのミスをどこまで突けるか
スキッドブロックの数ミリ単位の差が、シーズン全体のタイトル行方に大きな影響を与えた今回のラスベガスGP。ルールの解釈やマシンのセッティングといったテクニカルな部分が、ドライバーの心理やレースでの駆け引きとどのように結びついていくのか。カタールとアブダビの2週末は、F1という競技そのものの奥深さがあらためて浮き彫りになる戦いになりそうです。
Reference(s):
Verstappen wins big at Las Vegas Grand Prix with McLarens disqualified
cgtn.com








