19歳シンダロフがFIDEワールドカップ史上最年少優勝
国際チェス連盟(FIDE)のワールドカップで、ウズベキスタンの19歳ジャヴォヒル・シンダロフが史上最年少優勝を果たしました。決勝で中国本土出身のウェイ・イーを退け、来年の世界王者挑戦に直結する候補者トーナメントの主役候補として一気に名乗りを上げました。
19歳シンダロフ、ゴアで歴史的優勝
現地時間の水曜日にインド西部の都市ゴアで行われたFIDEワールドカップ決勝で、ジャヴォヒル・シンダロフ(19)はウェイ・イー(26)と対戦しました。若き新鋭と世界トップクラスの実力者による対決は、最後まで緊張感の途切れない一戦となりました。
クラシカル2局とラピッド1局は引き分け
決勝はまず、持ち時間の長いクラシカル(通常のチェス)2局で争われましたが、いずれも引き分けに終わりました。どちらも無理をせず、細かな工夫で優位を探る展開となり、はっきりとした差はつきませんでした。
優勝者を決めるため、勝負の舞台はラピッド(早指し)のタイブレークへ移りました。しかし、最初の1局目も決着はつかず、両者は再び引き分け。緊迫した状況のなかで迎えた2局目が、最終的な勝敗を分ける一局となりました。
イタリアンゲームで王側をじわじわ圧迫
運命のラピッド2局目で指されたのは、クラシカルなオープニングとして知られるイタリアンゲームでした。シンダロフはこの局面から、ウェイのキングサイド(王のいる側)に狙いを定め、少しずつプレッシャーを積み重ねていきます。
一気に仕掛けるのではなく、小さな不利を積み上げていくスタイルで、ウェイの駒は徐々に守勢に回りました。シンダロフは着実に主導権を握り、ポジションの優位を逃しませんでした。
終盤では、シンダロフのクイーン(王妃)が絶妙な位置に配置され、ウェイのキングはほとんど動きの自由を失いました。60手を過ぎた時点で形勢は決定的となり、ウェイは静かに投了を選択しました。
ワールドカップ史上最年少のタイトルホルダーに
この勝利により、シンダロフはFIDEワールドカップ史上、最年少のタイトルホルダーとなりました。10代でのワールドカップ制覇は、チェス界の世代交代を象徴する出来事と言えます。
- 19歳でのワールドカップ優勝
- クラシカルとラピッドを通じた総合力を証明
- プレッシャーのかかる決勝タイブレークで勝ち切る勝負強さ
ウズベキスタンの若手が世界大会で歴史的な記録を打ち立てたことは、チェスがさまざまな地域に広がり、多様なスターが生まれている現状を象徴しているとも言えます。
エシペンコを含む3人が候補者トーナメントへ
シンダロフのほか、決勝で敗れたウェイ・イー、3位に入ったロシアのアンドレイ・エシペンコの3人が、来年の候補者トーナメントへの出場権を手にしました。
候補者トーナメントは、世界王者への挑戦権を争う重要な大会です。複数のトップ棋士が集まり、その中で勝ち抜いた1人だけが世界選手権の舞台に進むことができます。
今回のワールドカップからは、
- ジャヴォヒル・シンダロフ(ウズベキスタン)
- ウェイ・イー(中国本土)
- アンドレイ・エシペンコ(ロシア)
の3人が、新たに候補者トーナメントの出場者として名を連ねることになりました。
インドの世界王者グケシュへの挑戦権をかけて
来年3月28日から4月16日にかけて行われる候補者トーナメントで優勝した棋士には、インドの現世界チャンピオン、グケシュ・ドゥマラジへの挑戦権が与えられます。
10代でワールドカップを制したシンダロフが、その勢いのまま世界王者挑戦まで駆け上がるのか。あるいは、豊富な経験を持つウェイ・イーやエシペンコが、長丁場の戦いで強さを発揮するのか。今後の展開に大きな注目が集まります。
日本の読者にとっての「チェス国際ニュース」
日本では将棋に比べるとチェスのニュースはまだ限られていますが、今回のように10代の若手が世界の頂点に立つストーリーは、国際ニュースとしても興味深いものです。
世界王者グケシュ、史上最年少ワールドカップ王者となったシンダロフ、そしてウェイ・イー、エシペンコという新旧の実力者たちが、今後どのようなドラマを見せるのか。2025年の今、来年の候補者トーナメントと世界選手権に向けて、チェス界の動きを追いかけてみるのも良さそうです。
Reference(s):
Wei falls short as Sindarov become youngest FIDE World Cup winner
cgtn.com








