F1世界選手権、ランド・ノリスが初王者 アブダビ最終戦でフェルスタッペン王朝に幕
リード:なぜこのニュースが重要か
フォーミュラ1(F1)世界選手権の今季最終戦アブダビGPで、マクラーレンのランド・ノリスが自身初のワールドチャンピオンを決め、4年連続王者マックス・フェルスタッペンの連覇に終止符を打ちました。国際ニュースとしても、世代交代と名門チーム復活を象徴する一戦となりました。
アブダビ最終戦でつかんだ「子どもの頃の夢」
アラブ首長国連邦(UAE)アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで現地時間の日曜日夜に行われたアブダビGP決勝で、ノリスは3位フィニッシュでした。レースには優勝したレッドブルのフェルスタッペン、マクラーレンのチームメイトで今季終盤までタイトルを争ったオスカー・ピアストリが先行しましたが、シーズンを通じたポイント差でノリスがタイトルを手にしました。
チェッカーフラッグを受けた直後、エンジニアからの無線はシンプルでした。「それで終わりだ、君はワールドチャンピオンだ」。ノリスは「ありがとう。子どもの頃の夢をかなえてくれて」と応じ、その声はすでに涙まじりだったといいます。
表彰台では「しばらく泣いていなかったから、泣かないと思っていたけれど、泣いてしまった」と率直な心境を明かし、「最初から支えてくれた父と母に感謝したい。最高の気分だし、今はマックスがどんな気持ちだったのか少し分かる」と語りました。ライバルのフェルスタッペンとピアストリにも祝意を送り、「長い一年だったけれど、本当に楽しかった」と振り返りました。
わずか2ポイント差、4年王朝に終止符
今季のドライバーズタイトルは、最後の最後まで予断を許さない接戦でした。最終的にノリスは423ポイント、フェルスタッペンは421ポイント、ピアストリは410ポイント。トップ3が10ポイント以内にひしめく異例のシーズンとなりました。
ピアストリはシーズンの大半でランキング首位に立っていましたが、メキシコGP以降にノリスが追い抜き、形勢を逆転。日曜日のアブダビ決戦は、2010年の同地での4人によるタイトル争い以来となる、複数ドライバーが一斉に王座を争う最終戦となりました。
ノリスはシーズンを総括し、「これまで何度も見てきたように、何が起こるか分からない。だから最後までプッシュし続けた」と語ります。「マックスとオスカーは、今年ずっと僕の人生を簡単にはさせてくれなかった。でも、それがうれしい。マクラーレンと歩んできた長い旅路のなかで、ようやく自分の役割を果たせたと誇りに思う」と、激戦の一年を噛みしめました。
マクラーレン、シンガポールでコンストラクターズ2連覇
チームとしてのマクラーレンも、今季は確かな復活を印象づけました。チーム代表のアンドレア・ステラ氏と最高経営責任者(CEO)のザク・ブラウン氏の下で、マクラーレンは先月のシンガポールGPですでにコンストラクターズ(製造者)タイトル2連覇を確定させています。
ブラウン氏はアブダビでのタイトル決定後、「すごかった。少し刺激が強すぎたけれど、最高だ。ランドとオスカー、シーズンを通して本当に素晴らしい仕事をしてくれた」と興奮気味に振り返りました。ドライバーズとコンストラクターズの二冠達成は、チームにとっても大きな節目です。
名門マクラーレンの系譜に連なる26歳
今回のタイトルは、マクラーレンにとって通算13度目のドライバーズチャンピオンです。26歳のノリスは、ルイス・ハミルトンが2020年に王座を獲得して以来となる英国出身のF1王者となりました。
マクラーレンが初めてドライバーズタイトルを獲得したのは、ブラジル出身のエマーソン・フィッティパルディによる1974年のことです。その後も、チームからは数多くの名ドライバーが世界王者に輝いてきました。
- ジェームス・ハント(1976年)
- ニキ・ラウダ(1984年)
- アラン・プロスト(1985年、1986年、1989年)
- アイルトン・セナ(1988年、1990年、1991年)
- ミカ・ハッキネン(1998年、1999年)
- ルイス・ハミルトン(2008年、その後メルセデスで6度の王座)
ノリスは、その系譜に新たな1ページを書き加えたことになります。デビュー前から育成ドライバーとして過ごし、マクラーレンとは9年にわたる関係。長期的な信頼関係が、ついに世界タイトルという形で結実しました。
これからのF1タイトル争いはどう変わるか
4年にわたるフェルスタッペンの時代が一段落し、ノリスとピアストリが本格的にタイトル争いに加わったことで、F1の勢力図は今後さらに混戦を極める可能性があります。今季最終戦まで続いた三つどもえの戦いは、1ポイント、1周の重みをあらためてファンに印象づけました。
国際ニュースとしてのF1を追いかけるうえでも、今回のドラマチックなシーズンは一つの節目と言えます。来季、ノリスが連覇を狙うのか、フェルスタッペンが王座奪還に動くのか、あるいはピアストリが初タイトルに挑むのか――。ファンとして、誰に感情移入し、どんなレースを見たいのか。今後のF1を考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
Tearful McLaren driver Norris clinches "amazing" Formula 1 world title
cgtn.com







