中国全国パラ大会でベテラン躍動 広州の陸上で金メダル続出
水曜日に中国・広州で行われた中国全国パラリンピック大会の陸上競技で、ベテラン選手たちが複数の金メダルを獲得しました。記録更新だけではない、パラスポーツの「続ける力」がにじむ大会となりました。
広州のトラック&フィールドでベテランが存在感
中国の全国パラリンピック大会の陸上競技では、F44やT11、F57といったクラスに分かれて選手が競い合います。水曜日の競技では、女子やり投げF44、女子短距離T11、男子砲丸投げF57といった種目で、ベテラン勢がその経験と安定感を見せました。
41歳ヤオ・ジュアン、やり投げと砲丸投げで2冠
女子やり投げF44決勝では、41歳のヤオ・ジュアン(Yao Juan)が今大会2つ目のタイトルを手にしました。世界記録保持者でもあるヤオは、1投目で32.00メートルをマークして主導権を握ると、2投目には35.26メートルまで伸ばし、若い世代の追随を許しませんでした。
ヤオは大会前半には女子砲丸投げF44でも優勝しており、投てき2種目を制したことになります。
圧倒的なパフォーマンスを見せながらも、本人が強調するのはメダルそのものではありません。会場のラジオ放送で「世界記録保持者のヤオ・ジュアンが、きょう自らの記録更新に挑みます」と紹介されたときの心境を、ヤオは「ワクワクすると同時に、少しおかしくも感じました」と振り返ります。
「あの記録を出したのは何年も前のことです。今の私は年齢も重ね、ケガもあって、技術も少しずつ落ちています。きょうはただこのフィールドに来られただけでうれしくて、記録をどこまで伸ばすかについて、あまり多くを求めませんでした。出場できれば、それで満足でした」と、ヤオは語ります。
記録更新より「参加すること」の意味を口にする言葉には、長く競技を続けてきたベテランならではの重みがあります。
リウ・ツイチン、ガイドとともにT11短距離2冠
広西のリウ・ツイチン(Liu Cuiqing)も、短距離種目で2つの金メダルを獲得しました。視覚に障がいのあるクラスである女子T11では、選手はガイドランナーとともに走ります。
東京パラリンピックのチャンピオンでもあるリウは、ガイドのチェン・ションミン(Chen Shengming)とともに女子200メートルT11決勝に臨み、25秒12でゴールテープを切りました。すでに女子100メートルT11でも優勝しており、この日で短距離2冠を達成しました。
ガイドと選手が並んで走るT11のレースでは、スタートからフィニッシュまで2人のタイミングとリズムが重要になります。息の合った走りが、そのまま勝利につながった形です。
ウー・グオシャン、男子砲丸投げF57を初投で決める
男子砲丸投げF57決勝では、広西のウー・グオシャン(Wu Guoshan)が圧巻の投てきを披露しました。国内記録保持者でもあるウーは、1投目で13.32メートルを投げてトップに立つと、その記録が最後まで破られることはありませんでした。
初投から優勝をほぼ確実なものとしたウーのパフォーマンスは、ベテランならではの勝負強さを印象づける内容でした。
「勝つこと」だけではないパラスポーツの価値
今回の結果で共通しているのは、ベテラン選手たちが「金メダル」以上のものを競技に見いだしている点です。ヤオ・ジュアンは、世界記録保持者として期待を背負いながらも、「参加できただけで満足だった」と率直に語りました。
リウ・ツイチンやウー・グオシャンのように、複数の種目や大会で結果を出し続けるには、長年のトレーニングや日常生活を含めた積み重ねが欠かせません。水曜日の広州でのパフォーマンスは、そうした時間の重なりが一つの形になった瞬間でもありました。
記録やメダルは、いずれ新しい世代に更新されていきます。一方で、「どれだけ長く競技と向き合い続けられるか」「限られたコンディションの中で、自分なりのベストを出せるか」といった問いは、多くの人にとっても身近なものです。
ベテランたちが見せた落ち着いた強さは、スポーツの世界の話にとどまらず、年齢や立場にかかわらず、何かを続けることの意味を静かに問いかけているように感じられます。
Reference(s):
Veteran athletes shine with golds at China's National Paralympic Games
cgtn.com








