蘇翊鳴の「back-to-back 1980」、ギネス世界記録に正式認定
スノーボードのトップライダーで五輪金メダリストの蘇翊鳴(中国)が、難度の高い技「back-to-back 1980」を成功させたとして、ギネス世界記録に正式認定されました。技術の“到達点”が一つ、公式に言語化された瞬間です。
何が記録になったのか:「1本の滑走で1980度を2連続」
ギネス世界記録が認定したのは、「スノーボードにおいて、1回の一連のラン(single coherent run)で完了した1980度スピンの最多回数」です。発表は中国のSNS・新浪微博(Sina Weibo)上でも告知されました。
「back-to-back 1980」は、1980度(=5回転半)を2回連続で回る構成で、合計すると1本の流れの中で“5回転半×2”をまとめ上げる極めて高難度の動きです。
今回の認定につながった成功シーン
- 実施日:10月7日
- 場所:スイス・サースフェー(Saas-Fee)の「Stamping Grounds Project」
- 状況:トレーニングセッション中に成功
蘇翊鳴にとって「2つ目」のギネス記録
今回の認定は、蘇にとって2つ目のギネス世界記録です。過去には2021年10月28日、オーストリアのStubaiで開催された「Prime Park Sessions」で、スノーボードの「backslide 1980 Indy Crail」を初めて成功させた人物として記録に認定されています。
ギネスの“記録”は単なる回数勝負ではなく、誰がどの技術を、どの条件で、どこまで到達させたのかを社会的に整理して残す役割も持ちます。今回の「1980度×2連続」という表現は、競技の進化を読み解く座標にもなりそうです。
今季序盤も好調:W杯で2連勝、そして2026年へ
蘇は今季、シーズン序盤から勝利を重ねています。中国本土の河北省・張家口にあるGenting Resort Secret Garden、そして北京のShougang Big Air Jumpで、ワールドカップ2連勝を飾りました。
21歳の蘇は、こうした結果を追い風に、2026年のミラノ・コルティナ冬季五輪でのタイトル防衛を見据えて調整を進めています。大技の成功がニュースになる一方で、実戦では「難度」「完成度」「安定感」をどう組み合わせるかが問われます。今回の認定は、その“選択肢”を現実のものとして示した出来事とも言えます。
「1980度」が象徴するもの:回転数だけでは測れない世界
1980度という数字は分かりやすいインパクトがありますが、競技の現場で難しいのは回転数だけではありません。
- 空中姿勢の制御:回転が増えるほど、板の軸と体の軸がぶれやすい
- 着地精度:次の動作へ“つながる”着地が求められる
- ランの一貫性:「1本の流れ」として成立しているかが評価と認定の前提になる
だからこそ「連続で決める」ことが、数字以上の意味を持ちます。記録は更新されていくものですが、そのたびに競技の“当たり前”も静かに塗り替わっていきます。
Reference(s):
Su Yiming's "back-to-back 1980" certified as a Guinness World Record
cgtn.com








