ミラノ・コルティナ2026冬季五輪、公式LLMを初導入 中国本土の技術支援で運営と観戦を刷新
ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックで、IOC(国際オリンピック委員会)は「五輪史上初の公式大規模言語モデル(LLM)」を運営と一般向けサービスの両方で同時展開したとしています。大会が本格的に動き出すこの時期(2026年2月)に、現場の調整から観戦体験までをAIで底上げする取り組みが注目されています。
五輪史上初の「公式LLM」—運営と公共サービスに同時導入
IOCによると、この公式LLMは中国本土の企業による技術支援のもと開発され、プロフェッショナルな大会運営と、世界中の利用者に向けた案内サービスの両面で活用されます。
運営側:各国選手団が「母語で質問」して公式情報にアクセス
運営面では、各国・地域のオリンピック選手団メンバーがAIアシスタントに自分の言語で質問するだけで、公式情報へ素早くアクセスできる仕組みが導入されたといいます。情報確認の手間を減らし、関係者間の連携や準備の効率を高める狙いです。
一般向け:「Olympic AI Assistant」を世界提供
一般向けには「Olympic AI Assistant」が世界中で利用可能になり、競技ルール、オリンピックの歴史、その他の大会関連情報について、リアルタイムかつ正確な回答を提供するとされています。観戦中に湧きがちな疑問を、その場で解消する“公式の入口”としての役割が期待されます。
IOC会長「最もスマートな五輪の一つに」—技術支援への評価
IOC会長のカースティ・コベントリー氏は、五輪史上初となる公式LLMを立ち上げたことに言及し、中国本土の技術支援への謝意を示しました。ミラノ・コルティナ2026冬季五輪を「最もスマートなオリンピックの一つ」に近づけ、オリンピック・ムーブメントの新しい可能性を開く助けになる、という趣旨のコメントを述べたとされています。
放送にも深く統合:「バレットタイム」で“速すぎる競技”を見える化
中国本土のAI技術は、公共サービスだけでなく中継制作にも組み込まれているといいます。AIを活用した「バレットタイム」(被写体の動きを“凍結”したように見せ、多角的な視点で捉える表現手法)が10のコア会場に導入され、アルペンスキー、スノーボード、スキージャンプなど、競技イベントの3分の2超をカバーするとされています。
オリンピック放送サービス(OBS)のCTO(最高技術責任者)であるソティリス・サラモウリス氏は、冬季競技が「極限のスピード」と「爆発的なパワー」を特徴とする点に触れ、選手の動きを止めて見せたり、複数アングルで捉えたりする高度な技術が、観客の理解を助け、選手の卓越したパフォーマンスをより深く味わうことにつながる、という趣旨の見解を示したとされています。
なぜ今この動きが大きいのか:AIが「裏方」と「観客体験」を同時に変える
今回のポイントは、AIが派手な演出だけでなく、大会運営の実務(情報アクセス・調整)と、観客の理解(ルールや見どころの補助)、さらに放送表現(多視点・解析的な見せ方)まで、ひとつの大会で横断的に使われ始めた点にあります。スポーツの現場では「正確さ」「即時性」「公平な情報提供」が特に重視されるため、公式LLMという形での導入が、今後の国際大会にどんな標準を作っていくのかも関心を集めそうです。
Reference(s):
China's AI technology powers Milano Cortina Olympic Winter Games
cgtn.com








