エアショー・チャイナ2024閉幕 ステルス戦闘機と国際受注が示した中国航空宇宙の今
2024年に中国・珠海で開催された「第15回中国国際航空宇宙博覧会(エアショー・チャイナ2024)」が、日曜日に閉幕しました。最先端のステルス戦闘機の共演から総額2800億元規模の契約まで、国際ニュースとしても注目された航空ショーのポイントを振り返ります。
約60万人が来場した中国の航空宇宙イベント
エアショー・チャイナ2024は、中国・珠海で開かれた航空・宇宙分野の総合展示会です。今回で15回目を迎えたこのイベントには、会期中におよそ60万人が来場し、一般市民から専門家まで幅広い関心を集めました。
展示会には、47の国と地域から計1,022の企業や団体が参加しました。このうち159が海外企業で、国際企業の数は前回開催と比べて104%増と、大きく伸びています。航空宇宙分野のビジネスや技術交流の場として、国境を越えた広がりを見せたと言えます。
会期中に締結された契約額は、2800億元(約387億ドル)に上りました。機体やエンジン、電子機器、関連サービスなど、多様な分野での取り引きが進んだとみられます。
ステルス戦闘機3機が同じ空を舞う
今回のエアショーで最も注目を集めたのが、ステルス戦闘機の展示と飛行デモンストレーションです。「ステルス戦闘機」とは、レーダーに探知されにくい形状や素材を採用し、敵に見つかりにくくすることを目指した戦闘機のことです。
今年は、中国のJ-20と新たに登場したJ-35A、そしてロシアのSu-57という3種類のステルス戦闘機がそろって会場上空を飛行しました。これら3機が同じ航空ショーで同時に披露されるのは、エアショー・チャイナでは初めてのことです。
とくに、中型ステルス戦闘機J-35Aは今回が初公開となりました。最新鋭の戦闘機がどのような機動を見せるのか、観客の視線が集まりました。
防空ミサイルと大型輸送機も公開
戦闘機だけでなく、防空や輸送を担う装備も今回の見どころでした。その一つが、地対空ミサイルシステムHQ-19です。地対空ミサイルシステムとは、地上から発射するミサイルで航空機やミサイルなどを迎撃する装備を指します。
さらに、大型輸送機Y-20の貨物室が初めて一般公開されました。輸送機は、部隊や物資の移動、人道支援物資の輸送など、多用途で使われるプラットフォームです。内部が公開されたことで、観客はその運用イメージをより具体的に持つことができたといえます。
また、空母での運用を前提に設計されたJ-15やJ-35といった戦闘機も紹介されました。空母艦載機は、短い滑走路や過酷な環境での運用が想定されるため、高い技術が求められます。
ビジネスと国際協力の場として
エアショー・チャイナ2024は、派手な飛行展示だけでなく、ビジネスや国際協力の場としても重要な役割を担いました。47の国と地域から1,022の出展者が集まり、軍民両用技術(軍事と民間の両方で使われる技術)を含む幅広い分野で意見交換が行われました。
契約額が2800億元という規模に達したことは、航空機そのものだけでなく、部品、整備、訓練、シミュレーション技術など、周辺産業への需要が拡大していることも示しています。中国の航空宇宙産業が、国内市場だけでなく国際市場でも存在感を高めている様子がうかがえます。
2025年から振り返るエアショーの意味
2025年現在、世界の安全保障環境と技術競争は、引き続き大きな変化の中にあります。そのなかで、2024年のエアショー・チャイナが見せた光景は、いくつかの点で示唆的です。
- ステルス戦闘機や防空システムの展示は、空と宇宙の領域で技術競争が続いていることを映し出しています。
- 47の国と地域、1,022の出展者、2800億元規模の契約という数字は、航空宇宙産業が依然として成長分野であることを示しています。
- 約60万人が来場したことから、航空宇宙技術への市民の関心が高まっていることも読み取れます。
一つの航空ショーを通じて見えてくるのは、軍事技術だけではありません。輸送機や民間需要、国際協力、そして技術者や若い世代への「見せる場」としての役割も含め、航空宇宙分野が社会に与える影響は広がりを見せています。
こうした動きを丁寧に追いかけることは、アジアと世界の国際情勢を考えるうえでも、重要な手がかりとなりそうです。
Reference(s):
Airshow China 2024 wraps up with highlights in aerospace innovation
cgtn.com








