WHOが鳥インフル監視強化を要請 米国の子どもでH5N1初確認
世界保健機関(WHO)は、米国で子どものH5N1型鳥インフルエンザ感染が初めて確認されたことを受け、各国に対し鳥インフルエンザの監視体制を一段と強化するよう呼びかけました。
米国の子どもでH5N1感染を初確認
WHOによると、米国で子どものH5N1型鳥インフルエンザ感染例が初めて確認されました。これを受けてWHOは、各国が鳥インフルエンザの状況をより厳密に監視する必要があると強調しています。
WHOで流行対策を担当するマリア・ファン・ケルホーフ氏は記者会見で、近年、世界各地でH5N1型鳥インフルエンザの人への感染が「小さいながらも増加している」と説明しました。
WHOが求める「監視強化」とは
ファン・ケルホーフ氏は、感染状況を正確に把握するには、人だけでなく動物での監視を強めることが不可欠だと訴えました。特に次のような動物で、より強い監視が必要だとしています。
- 野生の鳥
- 家禽(かきん・鶏や七面鳥など)
- 感染しやすいとされる動物(豚や乳牛など)
こうした動物の間でウイルスがどのように循環しているのかを把握することで、今後のリスク評価や対策の精度を高める狙いがあります。
H5N1型鳥インフルエンザとは
H5N1型は、鳥インフルエンザウイルスの一種で、1996年に初めて確認されました。その後、長期にわたって世界各地で人や動物への影響が注目されてきました。
WHOによると、2020年以降、鳥の間でのH5N1型のアウトブレイク(集団発生)が指数関数的に増えており、それに伴って哺乳類での感染例も増加しています。
このウイルス株により、何千万羽もの家禽が死亡したほか、野生の鳥、陸上の哺乳類、海洋の哺乳類にも感染が広がっているとされています。
人への感染は「これまでのところ軽症が中心」
H5N1型ウイルスの流行が強まってから、欧州や米国で人への感染例も報告されていますが、WHOによれば、これらの症例の多くはこれまでのところ軽症にとどまっています。
今回の米国の子どもの症例も含め、現時点で大規模な人から人への感染拡大が起きているといった情報は示されていません。ただし、WHOは動物での広がりを慎重に見極める必要があるとみています。
なぜ監視強化が重視されるのか
WHOが監視体制の強化を求める背景には、次のような課題があります。
- 野生の鳥や家禽、哺乳類の間で、H5N1型がどの程度広がっているのかを把握しきれていない
- 動物の間でのウイルスの循環状況が分からなければ、人への感染リスクの評価が難しい
- 国や地域によって監視体制に差があり、世界全体の状況が見えにくい
ファン・ケルホーフ氏は、米国や他の国々が動物での監視を強化し、ウイルスの循環状況をよりよく理解することが重要だと強調しました。早い段階で異変をつかむことができれば、将来的なリスクを抑えやすくなるという考え方です。
私たちはどう受けとめるべきか
今回のWHOのメッセージは、各国の保健当局や農業分野に対して、動物と人の双方で状況を丁寧に見守る体制を整えるよう促すものです。
人への感染例は「小さいながらも増加」している一方で、欧州や米国で確認されている症例の多くは軽症とされており、今すぐ日常生活を大きく変えるべきだという情報は示されていません。
一方で、鳥インフルエンザを含む感染症の動きは、今後も国際ニュースの重要なテーマであり続けると考えられます。私たち一人ひとりにできるのは、過度に不安になることなく、WHOなど信頼できる公的機関の情報をフォローし、冷静に状況を見ていくことです。
Reference(s):
cgtn.com








