国連砂漠化対処条約COP16がリヤド開幕 干ばつと土地劣化に世界がどう向き合うか
国連の砂漠化対処条約(UNCCD)の第16回締約国会議(COP16)が2025年12月8日、サウジアラビアの首都リヤドで開幕しました。土地の回復と干ばつへの強靱(きょうじん)性をどう高めるかが焦点で、気候変動や食料安全保障とも直結する国際ニュースとして注目されています。
リヤドで開幕した国連砂漠化会議COP16
COP16は、国連砂漠化対処条約にもとづく各国の代表が集まる会議で、今回が第16回目です。会議は12月13日まで、Our Land. Our Future(私たちの土地。私たちの未来)というテーマのもとで協議が続きます。
主催者によると、今回はこれまでで最大規模の「土地に特化した」国連会議であり、中東・北アフリカ地域で初めて開かれるUNCCDの締約国会議となります。
土地の回復は「同時多発する危機」への鍵
国連砂漠化対処条約のイブラヒム・ティアウ事務局長(Ibrahim Thiaw)は開会式の演説で、土地の回復が、気候変動、食料不安、経済格差、強制移住、さらには世界の不安定さといった、現代の大きな課題に対処する最も効果的な手段の一つだと強調しました。
2050年には最大75億人が干ばつの影響
ティアウ事務局長は、2050年までに最大で75億人が干ばつの影響を受ける可能性があると指摘し、「今すぐ行動する必要がある」と各国に呼びかけています。土地の劣化(れっか)の流れを反転させ、干ばつに強い世界を築くことは不可能ではないとして、協調した取り組みの重要性を訴えました。
毎年1億ヘクタールの土地が失われる現実
開催国サウジアラビアのアブドルラフマン・アブドルモフセン・アルファドリー環境・水・農業相(Abdulrahman Abdulmohsen AlFadley)は、土地劣化の影響により、毎年森林や草地を含む1億ヘクタールの土地が失われ、その影響を受ける人は30億人を超えると説明しました。
こうした土地の損失は、多くの地域社会で移住や安定、そして安全保障にかかわる動きを一層大きくする可能性があるとし、土地問題が地域内にとどまらず、広い範囲に波及し得ることへの懸念もにじませました。
COP16で議論される主なテーマ
今回のCOP16は、UNCCDにとって30周年の節目となる会合でもあります。会期中、各国代表は次のような集団的な行動について合意を目指します。
- 土地回復の取り組みを加速すること
- 干ばつや砂嵐へのレジリエンス(回復力)を高めること
- 土壌の健康を回復・維持すること
- 2030年以降も見据えた「自然にプラスとなる」食料生産を拡大すること
これらの目標は、砂漠化を食い止めるだけでなく、食料の安定供給や地域経済、社会の安定とも密接に結びついています。
私たちの生活と「遠い砂漠」をつなぐ視点
砂漠化や干ばつというと、遠い地域の話に感じられるかもしれません。しかし、世界のどこかで土地が劣化し、生産力を失えば、国際的な食料市場や人の移動のあり方にも影響が及びます。
リヤドで始まったCOP16は、「土地」という切り口から、気候、食料、経済、そして移住がどう連鎖しているのかを問い直す場でもあります。今後どのような合意がまとまり、各国がどこまで具体的な行動に踏み出せるのか。13日まで続く議論の行方が注目されます。
Reference(s):
cgtn.com








