トランプ氏が米最高裁にTikTok禁止法の一時停止を要請 何が起きている? video poster
米国の次期大統領ドナルド・トランプ氏が、TikTok禁止につながる可能性のある法律の執行を一時停止するよう米連邦最高裁に求めました。人気SNSを巡る攻防は、新政権発足を前に新たな局面を迎えています。
TikTok禁止をめぐり、次期大統領が動いた
報道によると、トランプ氏は米国時間の金曜日、ショート動画アプリTikTokが禁止される可能性のある法律について、その効力を一時的に止めるよう連邦最高裁に検討を求める意見書を提出しました。トランプ氏は現在、米国の次期大統領と位置づけられています。
この法律が全面的に施行されれば、米国内でTikTokの利用が大きく制限されたり、アプリストアからの削除につながったりする可能性があると懸念されています。最高裁が一時停止を認めるかどうかは、TikTokの今後を左右する重要な判断になります。
親会社ByteDanceは「安全保障上のリスクはない」と反論
TikTokの親会社である中国本土の企業バイトダンスは、ここ数カ月にわたり、米政府や議会によるアプリ閉鎖の動きに対抗してきました。
バイトダンス側は、次のような点を強調していると伝えられています。
- TikTokのデータ管理やコンテンツの審査業務は、すでに米国内を中心に運営されている
- 運用体制は米国の法律や規制に従っていると主張している
- そのため、アプリは国家安全保障上のリスクをもたらさないと訴えている
つまり、バイトダンスは「データも運用も米国ベースで行っており、国家安全保障上の脅威にはあたらない」として、TikTokの全面的な禁止に反対している形です。
安全保障かデジタルの自由か 揺れるバランス
TikTokをめぐる議論の背景には、国家安全保障と個人のデジタルな自由という、二つの価値のバランスがあります。
一方で、政府や議会には、個人データや重要インフラを守るという責任があり、海外企業によるデータアクセスに慎重になる傾向があります。他方で、一つのアプリを法律で事実上締め出すやり方は、表現の自由やビジネスの自由をどこまで制限してよいのかという疑問も生みます。
今回、次期大統領であるトランプ氏自らが最高裁に働きかけたことで、この対立軸は今後さらに政治的な争点として浮上する可能性があります。
利用者・クリエイターはどう影響を受けるか
TikTokは、米国を含む世界中で若い世代を中心に利用されている動画共有アプリです。仮に禁止が現実になれば、影響を受けるのは企業や政府だけではありません。
- 日常的にTikTokで情報収集やエンタメを楽しんでいる利用者
- 動画投稿を通じて収入を得ているクリエイターやインフルエンサー
- TikTokをマーケティングや採用に活用している企業
こうした人たちにとって、アプリの一時停止や禁止は、収入源や情報チャネル、仕事のスタイルそのものに直結する問題です。最高裁の判断は、SNSの使い方やビジネスモデルを見直すきっかけにもなり得ます。
これからの焦点と、私たちへの問い
今後の焦点は、連邦最高裁がトランプ氏の要請を受け入れ、法律の執行を一時停止するかどうかです。判断のタイミングや内容によっては、TikTokをめぐる法的な攻防が長期化する可能性もあります。
同時に、今回の動きは、特定のSNSプラットフォームを法律でどこまで規制できるのか、またグローバルに展開するデジタル企業を各国がどのように監督すべきかという、より大きなテーマにもつながっています。
日本やアジアでニュースを追う私たちにとっても、これは他人事ではありません。海外プラットフォームに依存した情報収集や発信のスタイルを続けるのか、多様なサービスを組み合わせてリスクを分散するのか。TikTokをめぐる米国の議論は、デジタル社会での自由と安全のバランスをどう考えるかを、静かに問いかけています。
Reference(s):
cgtn.com







