中国の新AI Spark X1登場 数学に強いディープリーズニングモデル
中国AIニュース:数学に強い新モデル Spark X1 が公開
中国のAI企業 iFLYTEK と Huawei が共同開発したディープリーズニング型の大規模言語モデル Spark X1 が、今週公開されました。中国語の数学分野で国内トップクラスの性能を示し、教育や医療など実社会での活用も始まっています。
世界のAI開発競争が加速する中で、中国発のこうした動きは国際ニュースとしても注目されます。本記事では、日本語でこの新モデルの特徴と意味を整理します。
Spark X1 とはどんなモデルか
Spark X1 は、中国国内の現在の計算資源を前提に設計されたディープリーズニング型の大規模言語モデルです。開発したのは、音声認識やAIで知られる iFLYTEK と、通信機器やクラウドを手がける Huawei の2社です。
関係者によると、Spark X1 は中国語の数学問題に対する計算能力で国内1位の水準にあり、すでに教育や医療など複数の分野で試験的に導入されています。
人間に近い「スローシンキング」型の解き方
発表会では、大学入試レベルの数学問題や、アメリカの数学コンテストである AIME、高校数学オリンピック相当の問題に挑戦するデモが行われました。Spark X1 は正答を出すだけでなく、途中の考え方や解法のステップも丁寧に示しました。
関係者は、一般的な大規模言語モデルに比べて、Spark X1 の問題解決プロセスは人間の「スローシンキング」に近いと説明します。ディープリーズニングモデルとして、次のような特徴があるとされています。
- 複雑な問題を、より単純なサブタスクに分解して考える
- 推論の途中で自己検証や振り返りを行い、誤りをチェックする
- 正解かどうかのフィードバックに基づき、推論パターンを継続的に鍛える
研究チームによれば、Spark X1 は最近参加した複数の試験において、小学生から高校生向けの競技数学、大学レベルの数学テスト、AIME、MATH 500 などで ChatGPT o1 を上回る成績を収めたケースもあったといいます。
教育現場での活用:複数解法と批判的思考
Spark X1 はすでに中国の教育分野で活用が始まっています。約100のパイロット地域からは、次のような効果が報告されています。
- 1つの問題に対して、複数の異なる解法を提示できる
- 単元をまたいだ知識のつながりを示し、理解を深めやすくする
- なぜそうなるのかを問い返すことで、学習者の批判的思考を促す
単に答えを教えるのではなく、考え方のプロセスを見せることで、教師の授業設計や生徒の自学自習を支えるツールとして位置づけられている点が特徴です。
医療分野での応用:専門医の判断を支援
医療分野でも、Spark X1 の初期的な検証が進められています。研究チームによると、専門診療の補助診断や、複雑な医療記録の内容チェックにおいて、およそ9割の精度で正しく判断できたケースも確認されました。
これが実用段階まで進めば、専門医の診断の抜け漏れを防いだり、膨大な電子カルテの内容を整理したりする役割が期待されます。一方で、最終的な判断は医師が担い、AIはあくまで補助にとどめるという線引きも重要になります。
世界のAI競争の中で Spark X1 が示すもの
2025年現在、各国で大規模言語モデルの開発が進む中、次の焦点になっているのがどれだけ深く考えられるAIかという点です。Spark X1 は、中国国内の計算資源を前提としながら、高度な数学推論を実現しようとする試みの一つといえます。
教育や医療など、人の生活に近い分野にディープリーズニング型AIが入ってくることで、次のような問いも浮かび上がります。
- 学ぶ側・教える側は、AIとどう役割分担をするのか
- 診断や評価をAIが支援する時、人間は何を最終的に確認すべきか
- 計算資源やデータの条件が異なる国や地域で、どのようなAIモデル設計が現実的か
中国での Spark X1 の展開は、こうした問いを考える一つの材料となります。日本を含む他国の教育・医療の現場でも、AIの使い方や人との協働の仕方を見直すきっかけになりそうです。
Reference(s):
China releases Spark X1 deep reasoning model that packs a punch
cgtn.com








