NASA宇宙飛行士2人が初の船外活動 ISSで女性記録も更新
NASAの国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中で、地球への帰還が遅れている2人の宇宙飛行士が、現地時間の木曜日、滞在開始から約8カ月を経て初めての船外活動(スペースウォーク)に臨みました。この作業の中で、司令官スニ・ウィリアムズさんが女性宇宙飛行士としての船外活動記録を更新しています。
約8カ月ぶりの「外」へ 何が行われたのか
今回の船外活動に参加したのは、司令官のスニ・ウィリアムズさんとブッチ・ウィルモアさんの2人です。2人は、国際宇宙ステーションに移り住んでからおよそ8カ月が経っており、「足止め」とも言える長期滞在の中で初めて船外に出ました。
作業はおよそ420キロ上空の軌道上で行われ、2人はまず故障したアンテナの取り外しに挑みました。当初、ボルトが固く動かないトラブルがありましたが、ハッチを出てからおよそ4時間後、ようやくアンテナをこじ開けるようにして取り外すことに成功しました。
地上の管制センターは、アンテナの取り外しに伴って出る可能性のある破片が周囲に漂わないか、注意深く確認するよう繰り返し呼びかけたとされています。宇宙空間での小さな破片は、宇宙ステーションや宇宙服にとって大きなリスクとなるためです。
ISSの外壁を「拭き取り」 微生物は宇宙で生き残れるのか
2人が担ったのはアンテナの撤去だけではありません。ISSの外壁表面を布などで拭き取り、サンプルを採取する作業も行いました。これは、地球での打ち上げ時に機体に付着していた微生物が、通気口などの隙間から宇宙空間へ出て生き延びていないかを調べるためです。
もし地球由来の微生物がISSの外側で生存していることが確認されれば、生命がどれほど過酷な環境に耐えられるのか、そして将来の月・火星探査で地球の生命が他の天体を「汚染」してしまわないようにするにはどうすべきか、という重要な手がかりになります。
宇宙開発は技術の競争であると同時に、地球の生命をどう扱うかという倫理的なテーマとも密接に結びついています。今回の拭き取り作業は、その問いに答えるための地道な一歩と言えます。
ウィリアムズさんが女性の船外活動記録を更新
今回の船外活動の最中、スニ・ウィリアムズさんは女性宇宙飛行士としての船外活動に関する記録を更新しました。詳細な時間や回数は明らかにされていませんが、積み重ねられた作業時間が新たな節目を迎えた形です。
宇宙飛行士の世界では、長時間の船外活動が求められる場面が増えています。宇宙ステーションの維持管理に加え、今後の月面基地建設や深宇宙探査に向けて、宇宙空間で作業できる人材の重要性は高まる一方です。その中で、女性が記録を更新していくことは、宇宙開発の現場における多様性の広がりを象徴する出来事でもあります。
「足止め」宇宙飛行士が映す、長期滞在ミッションの現実
今回の2人は、当初の計画よりも長くISSに滞在しているとされ、「stranded(足止めされた)」宇宙飛行士と報じられています。宇宙船やシステムの不具合、運用上の判断などさまざまな要因で、帰還のスケジュールが変わってしまうことは宇宙開発の現実の一部です。
長期滞在は、宇宙飛行士の身体や心理への負担を大きくする一方で、宇宙環境が人間に与える影響を詳しく調べる貴重な機会にもなります。今回のような船外活動は、その最前線で働く人間の存在とリスクを改めて意識させる出来事と言えるでしょう。
私たちがこのニュースから考えたいこと
今回の国際ニュースは、単なる「記録更新」や「トラブルの克服」という話題にとどまりません。スマートフォン越しに見ていると忘れがちですが、宇宙開発は高リスクの人間活動であり、その一つひとつが綿密な準備と現場の判断の積み重ねで成り立っています。
- 技術トラブルがあっても、現場の工夫と地上との連携で乗り越えていくこと
- 地球の微生物と宇宙環境という、一見遠いテーマが実はつながっていること
- 記録の更新が、女性を含む多様な人材の活躍の広がりを示していること
こうした点を意識してニュースを追うと、ISSでの出来事は「宇宙の話」だけでなく、リスク管理や多様性、倫理と科学の関係など、私たちの日常の議論にもつながってきます。SNSで共有する際も、単に「すごい記録」だけでなく、自分なりの問いや視点を一言添えてみると、周囲との会話が一段深まるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








