米テキサス州で麻しん48人感染 30年で最悪規模に
米テキサス西部で麻しん拡大、30年で最悪規模に
米国テキサス州西部で続いている麻しん(はしか)の集団感染が、感染者48人に達しました。大半は子どもと10代の若者で、州としては過去約30年で最悪の規模となっています。
州の保健当局によると、これまでに13人が入院しており、感染者はいずれもワクチン未接種か、接種歴が不明だとしています。
「親しいがワクチンが足りない」コミュニティで集中
今回の麻しんは、テキサス州ゲインズ郡にあるメノナイト系の「親密で、ワクチン接種率の低い」コミュニティで多く確認されています。ゲインズ郡は人口密度の低い農村地域で、多くの家庭が子どもを小規模な私立学校に通わせたり、自宅学習(ホームスクーリング)を行ったりしています。
テキサス州保健当局の担当者は、教会の教えそのものがワクチンを拒む理由ではなく、この地域の人びとが日常的に医療機関を受診しないことや、接種を個人の選択と考えていることが背景にあると説明しています。
州と地元が進める対策
テキサス州は現在、地元の保健当局と連携し、次のような対策を進めています。
- 地域での健康診断や検査の機会を増やす
- 麻しんワクチンの接種体制を強化する
- 学校関係者に対し、麻しんの症状の見分け方を周知する
- 家庭に対し、子どものワクチン接種を促す情報提供を行う
集団生活や学校を通じた感染拡大を防ぐため、学校現場への情報提供が重視されています。
麻しんはなぜ怖いのか
麻しんは、空気中に最大2時間とどまるほど感染力の強いウイルスによる感染症です。米疾病対策センター(CDC)によると、免疫のない人が暴露した場合、最大10人のうち9人が感染するとされています。
ワクチンが導入される1963年以前、米国では年間300万〜400万件の麻しん症例が報告されていました。現在は通常の年であれば、国内の症例は年間200件未満に抑えられています。
米国で続く麻しんの増加傾向
米国では2024年に麻しん患者が増加し、シカゴでは60人以上が感染する集団発生も起きました。今回のテキサス西部での拡大は、その流れの中で起きている新たなアウトブレイクです。
ワクチン義務と「良心による免除」
米国では、ほとんどの州で幼稚園に入園し公立学校に通うために、麻しんを含むワクチン接種が求められています。麻しんワクチンは通常2回接種のシリーズとして行われます。
一方でテキサス州法は、宗教的な理由を含む良心上の理由による学校ワクチンの免除を認めています。州のデータによると、免除を受ける子どもの割合は2014年の0.76パーセントから、昨年には2.32パーセントへとこの10年で上昇しました。
数字だけ見ると小さく見えるかもしれませんが、特定のコミュニティや学校に免除が集中すると、今回のように感染症が一気に広がるリスクが高まります。
日本の読者にとっての示唆
今回の米テキサス州の事例は、ワクチン接種率のわずかな低下や、地域ごとの接種の偏りが、大きな感染拡大につながり得ることを示しています。
公共の場で生活する以上、感染症対策は個人の選択であると同時に、周囲の人びとの健康とも深く関わります。どの国でも、地域ごとの接種状況を丁寧に把握し、不安や疑問を持つ家庭に対して分かりやすい情報を届けることが、今後さらに重要になりそうです。
Reference(s):
Measles outbreak in U.S. state hits 48 cases, worst in nearly 30 years
cgtn.com








