韓国、AIアプリDeepSeekの国内サービス一時停止 個人情報保護法に基づき改善要求
韓国の個人情報保護当局が、中国本土発のAIアプリ「DeepSeek(ディープシーク)」の国内サービスを一時停止しました。生成AIサービスと個人情報保護のバランスが、あらためて問われています。
何が起きたのか
韓国のデータ保護当局は2025年12月8日(月)、中国本土のAIアプリ「DeepSeek」について、12月6日(土)から韓国内でのサービス提供を一時的に停止していると明らかにしました。韓国の通信社、聯合ニュース(Yonhap)が報じています。
報道によると、今回の措置はあくまで暫定的なもので、アプリ側が韓国の個人情報保護法に沿う形で必要な改善を行った場合には、国内サービスの再開が認められる見通しです。
一時停止の背景にある「個人情報保護」
聯合ニュースの報道では、どの項目が具体的に問題視されたのかまでは明らかにされていません。ただし当局が「自国のプライバシー法に沿った改善」を条件としていることから、サービスの運営方法やデータの扱いについて、確認や見直しが必要だと判断したとみられます。
一般に、個人情報保護の観点からは、次のような点が重視されます。
- どのような個人情報を、どの目的で収集・利用するのかの明示
- 必要最小限のデータ収集にとどめているかどうか
- 国外へのデータ移転や第三者提供の管理
- 利用者が自分のデータを確認・削除できる仕組み
DeepSeekについても、こうした一般的な論点と関連する部分が、韓国当局のチェック対象になっている可能性があります。
国際ニュースとしての意味合い:AIと各国ルールのせめぎ合い
今回のDeepSeek一時停止は、国際ニュースとしても注目されています。理由は、生成AIのようなグローバルサービスが、各国のプライバシー規制にどう向き合うかという問題が凝縮されているからです。
多くのAIサービスは、国境を越えて提供されますが、データ保護のルールは国や地域ごとに異なります。そのため、ある国・地域では利用できるサービスが、別の国や地域では規制の対象になるケースも増えています。
今回の韓国の動きは、他の国や地域にとっても「AIサービスに対する規制対応の一つのモデル」として参照される可能性があります。一方で、サービス提供側にとっては、各国の違うルールにどう対応していくかがますます重要な課題になりそうです。
韓国の利用者・企業への影響
DeepSeekは、対話型のAIとして、個人利用だけでなく、業務の効率化や翻訳・文章作成など、ビジネス用途での活用も想定されるサービスです。国内サービスの一時停止は、次のような影響をもたらす可能性があります。
- 個人ユーザー:日常の検索・翻訳・学習用途として使っていた場合、一時的に代替サービスの利用が必要になる
- 企業・組織:試験導入や業務への組み込みを検討していた場合、計画の見直しやツールの再選定が発生する
とはいえ、当局は「改善後の再開」を前提にしているため、完全な利用禁止ではなく、「ルールに沿った形でどう戻ってくるか」がポイントになります。
利用者が意識しておきたいポイント
今回のニュースは、AIサービスを日常的に使う私たちにとっても、いくつかの示唆があります。
- どの国・地域の企業が運営するサービスなのかを、意識しておく
- 登録時に求められる情報(メールアドレス、電話番号など)と、その利用目的を確認する
- プライバシーポリシーや利用規約を、最低限の範囲でもチェックする
- 一つのサービスに依存しすぎず、複数の選択肢を持っておく
サービス側の法令遵守が大前提ですが、ユーザー自身が「どのデータを預けるのか」を選ぶ意識も、これからますます重要になっていきそうです。
これからの焦点
今後の注目ポイントを、簡潔に整理します。
- DeepSeek側が、韓国の個人情報保護法に合わせてどのような改善策を打ち出すか
- 韓国当局が、他の海外発AIサービスにも同様の基準をどの程度適用していくのか
- 今回の判断が、他国や地域の規制議論に波及するかどうか
AIと個人情報保護をめぐる議論は、2025年現在も進行形です。今回の韓国とDeepSeekのケースは、「便利さ」と「プライバシー」をどう両立させるかを考える、ひとつの具体例と言えます。
生成AIを活用する私たちにとっても、「どこまでデータを渡し、何を任せるのか」をあらためて考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
South Korea suspends local service of AI app DeepSeek: Yonhap
cgtn.com








