アマゾン「失われた都市」を暴くリモートセンシング 先住民の持続可能な知恵とは video poster
リード
南米アマゾンの熱帯雨林の奥深くで、長いあいだ謎に包まれてきた「失われた都市」の姿が、リモートセンシング技術の一種であるLidarによって少しずつ明らかになっています。先住民社会が築いた高度な文明と、森と共に生きる持続可能な知恵が、現代のわたしたちに新しい視点を投げかけています。
密林の下に隠れていた先住民社会の足跡
アマゾンには数千年にわたって先住民社会が暮らしてきましたが、その多くの物語は、濃い樹冠に覆われたジャングルの下に隠れてきました。近年になってようやく、その規模と豊かさの一端が見え始めています。
科学者たちはLidarなどの技術を使い、古代の集落跡や都市の痕跡とみられる地形を探り出しています。そこからは、人々が単に生き延びていただけでなく、複雑な社会を築き、森の環境を生かしながら発展していた可能性が見えてきます。
Lidarとは何か 森を「透かして」見る技術
今回のアマゾン調査で鍵となっているのがLidarです。Lidarは光を使ったリモートセンシング技術で、遠く離れた場所から地表に光を照射し、その反射を測ることで地形を高い精度で描き出します。
熱帯雨林では、地上からは木々に遮られて地面のようすがほとんど見えません。ところがLidarを使うと、樹木のすき間まで届いた光の反射を分析することで、地表の起伏だけを取り出し、建造物や道、人工的に整えられた地形のパターンを浮かび上がらせることができます。
こうして、目視では到底確認できなかった「失われた都市」の輪郭が、デジタルデータとして少しずつ再構成されているのです。
森をつくり変えた先住民の持続可能な知恵
CGTNのルクレシア・フランコ記者のリポートによると、Lidar調査で見えてきたのは、古代文明がアマゾンの森の中で繁栄していただけでなく、森を持続可能な形で管理し、かたちづくっていた姿です。
先住民社会は、森を一方的に切り開くのではなく、長期的な視点で利用し続けられるよう工夫を重ねていたと考えられます。その具体的な姿はこれからの研究を待つ部分も多いものの、森と共に生きる知恵として、例えば次のようなあり方がイメージできます。
- 必要な範囲だけを開墾し、周囲の森を残す土地利用
- 多様な植物を組み合わせて育てることで、森の豊かさを維持する発想
- 水や土壌を守るための小規模なインフラや地形の調整
こうした知恵の積み重ねが、結果的に生態系を豊かに保ち、現在の人類にとっても恩恵となっていると指摘されています。
現代の私たちへのメッセージ
古代のアマゾン文明が示しているのは、「自然か開発か」という二者択一ではなく、「自然と共にある開発」が可能だという視点です。森を破壊するのではなく、森と対話しながら利用するという考え方は、気候変動や環境破壊が課題となる今の世界にとって重要なヒントになります。
同時に、この発見はアマゾンを「人の手が入っていない原生の森」とみなしてきた従来のイメージにも問いを投げかけます。先住民の人々の長い歴史と、その知恵が積み重なってこそ、いま目にするアマゾンの姿があるのかもしれません。
これからの調査と議論に注目
アマゾンの「失われた都市」に関する研究は、まだ始まったばかりともいえる段階です。Lidarのようなリモートセンシング技術の発展により、今後さらに多くの遺構や地形のパターンが明らかになっていく可能性があります。
それは、単に歴史のミステリーを解き明かすだけでなく、森と人類の関係をどう再構築するかという、より大きな問いにつながっていきます。アマゾンから届いたこの新しい発見は、私たちがこれからの地球環境や都市づくりを考えるうえで、見逃せないニュースといえそうです。
Reference(s):
cgtn.com








