テスラのサイバートラックほぼ全台をリコール 外装パネル脱落の恐れ
電気自動車メーカーのテスラが、米国で走行するサイバートラックのほぼ全台をリコールすると発表しました。走行中に外装パネルが外れるおそれがあり、安全性とテスラのブランド信頼に大きな影響が出そうです。
米国でサイバートラックほぼ全台をリコール
テスラは米国の当局に提出した書類の中で、ピックアップ型の電気自動車サイバートラックについて、大規模なリコールを実施すると明らかにしました。対象となるのは、2023年11月から2025年2月27日までに製造された車両で、その台数は4万6000台強にのぼります。
テスラはサイバートラックの販売台数を公表していませんが、アナリストによると、今回のリコール対象は道路を走るサイバートラックの大半を占めるとみられます。事実上、米国向けのほぼ全生産分が回収の対象になった形です。
サイバートラックをめぐっては、これまでもリコールや無償修理が相次いでおり、今回の措置は一連の対応の中で最新のものとなります。
問題となったのはステンレス製外装パネル
リコールの原因は、ステンレス鋼製の外装トリムパネルが走行中に車体から外れ、路上に落下するおそれがあることです。テスラによると、この不具合は後続車などにとって路上の障害物となり、事故のリスクを高める可能性があります。
車体の外装パネルは、本来であれば車両の寿命を通じて確実に固定されていなければならない部品です。その全生産分に関わるリコールとなると、品質管理への視線は一段と厳しくなります。
調査会社オートフォーキャストソリューションズのサム・フィオラーニ副社長は、ボディパネルのような物理部品で全生産分のリコールが発生すると、長年避けてきたはずの品質問題に強い関心が集まると指摘し、築き上げた評判は時間をかけて損なわれかねないと見ています。
株価は今年すでに半値に リコールが追い打ちに
今回のリコールは、テスラにとって厳しいタイミングで起きています。2025年に入ってから同社の株価はすでに約半分まで値下がりしており、電気自動車市場での競争激化や車種ラインアップの古さが重荷になっているとされています。
さらに、イーロン・マスク最高経営責任者の政治的な言動や、トランプ政権下での連邦予算削減に関わる役割をめぐる反発も重なり、投資家心理や消費者の評価を冷やしていると分析されています。今回の品質問題は、そうした逆風に新たな要素を加えることになりました。
サイバートラック需要にすでに陰り
サイバートラックは、テスラの中でも異彩を放つピックアップ型電気自動車として注目を集めてきましたが、その需要にはすでに陰りが見え始めていたとされています。発売までに複数回の延期を経験し、2024年末ごろには注文や関心の鈍化が指摘されていました。
今回のリコールにより、納車待ちの人や購入を検討している人の間で、本当に大丈夫なのかという不安が広がる可能性があります。独特のデザインと話題性で注目を集めてきたサイバートラックですが、安全性と信頼性をどうアピールし直すかが課題となりそうです。
広がるブランドイメージの課題
アナリストの中には、既存顧客や潜在的な新規顧客の間で、テスラに対する心理的な距離が広がりつつあると指摘する声もあります。米国各地のテスラ店舗前では、抗議行動や販売ボイコットの動きが報告されており、企業ブランドへの信頼が揺らいでいることがうかがえます。
今回のリコールは、安全上の懸念に対応するために必要な措置である一方で、品質とブランドイメージという二つの問題を同時に突きつける出来事でもあります。
日本の読者にとっての意味
今回のテスラのリコールは、電気自動車がグローバルに普及する中で、ソフトウエアだけでなく基本的な車両品質の重要性が改めて問われていることを示しています。どれだけ先進的な技術を搭載していても、外装パネルといった当たり前に見える部品の信頼性が揺らげば、ブランド全体の評価に直結します。
日本でも電気自動車へのシフトが進む中で、価格や航続距離だけでなく、安全性や品質への姿勢をどう見極めるかが、今後ますます重要になってきそうです。今回のニュースは、世界の電気自動車メーカーの動きを考えるうえで、一つの警鐘と言えるかもしれません。
Reference(s):
Tesla recalls most Cybertrucks due to trim detaching from vehicle
cgtn.com








