トランプ米大統領、米国外製スマホに関税示唆 EU輸入品50%関税も警告
米国のトランプ大統領が、米国外で製造されたスマートフォン全般に関税を課す可能性に言及し、あわせて欧州連合(EU)からの全輸入品に最大50%の関税をかけると警告しました。今年の国際ニュースを象徴する動きとして、世界のサプライチェーンと同盟国との関係に大きな波紋を広げています。
米国外製スマートフォンへの関税を示唆
トランプ大統領は2025年、ホワイトハウスで記者団の質問に答える中で、米国外で生産されるスマートフォンに新たな関税を課す考えを示しました。対象には、米アップルに加えて韓国のサムスンなど、米国外でスマートフォンを製造する企業全般が含まれるとしています。
大統領は、特定の企業だけを標的にするのではなく、「サムスンを含め、その製品を作っているどの企業にも適用しなければ公平ではない」と述べ、公平性を理由に幅広いメーカーへの関税を正当化しました。そのうえで、この措置は2025年6月末までに開始されるとの見通しを示しています。
同じ日には、アップル製品を巡っても強い姿勢を打ち出しました。トランプ大統領はSNS「Truth Social」に投稿し、iPhoneが米国内で製造されない場合、アップルに対して少なくとも25%の関税を課す意向を表明しました。投稿では、アップルのティム・クック最高経営責任者に対し、インドなど他国ではなく米国でiPhoneを生産するよう、以前から求めてきたと強調しています。
EU輸入品に一律50%関税を提案
スマートフォンだけでなく、欧州との通商関係にも大きな圧力がかかっています。トランプ大統領は同じく「Truth Social」への投稿で、EUとの通商交渉が進展していないと批判し、2025年6月1日からEUからの全ての輸入品に対し一律50%の関税を課すべきだと訴えました。
投稿の中で大統領は、EUは米国を貿易面で不利な立場に置くために形成されたと主張し、「強力な貿易障壁や付加価値税、企業へのペナルティー、金融・非金融面での貿易障壁、不当な訴訟」などを列挙して非難しました。そのうえで、「協議はどこにも進んでいない」とし、高関税という強硬なカードで交渉を動かそうとする姿勢を示しています。
狙いは「製造業の米国回帰」と交渉テコ入れ
今回の一連の発言からは、二つの狙いが浮かび上がります。一つは、アップルやサムスンを含む世界的なスマートフォンメーカーに対し、生産拠点を米国内に移すよう圧力をかけることです。関税をコストとして突きつけることで、国内投資と雇用を引き寄せたい意図がうかがえます。
もう一つは、EUとの通商交渉を有利に進めるための交渉カードとして、高関税の可能性を示すことです。関税を「レバレッジ(てこ)」として用いるアプローチは、同盟国を含む相手に強いメッセージを送る一方で、報復関税や関係悪化を招くリスクもはらんでいます。
日本と世界のサプライチェーンへの影響
スマートフォンは部品調達から組み立てまで、多くの工程が国境をまたいで行われる典型的なグローバル製品です。アップルのiPhoneやサムスンのGalaxyシリーズには、日本企業を含む各国の部品メーカーが関わっています。
仮に米国が米国外製スマートフォンに高い関税を課せば、
- 米国市場向けスマートフォンの価格上昇
- メーカーによる生産拠点や調達網の見直し
- 部品を供給する日本やアジアの企業への波及
といった影響が広がる可能性があります。EUへの一律50%関税が現実化した場合も、世界貿易全体に不確実性が増し、日本企業の対米輸出や欧州市場戦略にも見直しが迫られるかもしれません。
読者が押さえておきたいポイント
今回の国際ニュースをフォローするうえで、次の点に注目すると状況が整理しやすくなります。
- トランプ大統領は、企業名を具体的に挙げつつも「公平性」を理由に幅広いスマホメーカーへの関税を示唆していること
- アップルには、製造の「米国回帰」を迫る形で少なくとも25%の関税をちらつかせていること
- EUに対しては、2025年6月1日からの一律50%関税を持ち出し、交渉をテコ入れしようとしていること
- いずれの措置も、米国内の産業・雇用を重視する姿勢と、同盟国を含む相手国との関係悪化リスクが表裏一体になっていること
スマートフォンや欧州製品を日常的に利用する私たちにとっても、こうした関税政策は価格や選択肢に影響を与えかねません。今後の交渉の行方と、各企業がどのように対応策を打ち出すのかを、引き続き注視したいところです。
Reference(s):
cgtn.com








