太陽系外からの訪問者候補A11pl3Zを追跡 欧州宇宙機関が発表
太陽系外からの訪問者候補「A11pl3Z」
太陽系外から来た可能性がある天体「A11pl3Z」が太陽系内部に向かっており、天文学者たちが現在その動きを追跡しています。欧州宇宙機関(ESA)は水曜日の発表で、この天体が太陽系を通過中の恒星間天体である可能性があると明らかにしました。この記事を執筆している2025年12月時点で、この天体は木星付近を通過中とされています。
科学者によると、この天体は無害であり、地球に接近することはないとみられています。現在は木星近く、数億キロメートル彼方を通過しながら火星の軌道方向へ進んでおり、太陽にはそれ以上近づかないとされています。
ただし、A11pl3Zが岩石質の小惑星なのか、氷を多く含む彗星なのかは、まだ分かっていません。大きさや正確な形状も不明で、さらなる観測が必要とされています。NASAも状況を継続的に監視していると伝えられています。
A11pl3Zとはどんな天体なのか
現時点で分かっているA11pl3Zの特徴を、分かりやすく整理すると次のようになります。
- 仮の名称(designation):A11pl3Z
- 現在位置:木星近傍、数億キロメートルの距離
- 進行方向:火星の軌道付近へ向かっている
- 太陽への最接近距離:火星の軌道より内側には入らない見込み
- 地球への影響:無害と見られている
- 天体の種類:岩石質の小惑星か、氷を多く含む彗星かは不明
- 推定サイズ:直径約40キロメートル(研究者による推定)
スペイン・バルセロナ近郊にある宇宙科学研究所の天体物理学者ホセップ・トリゴ=ロドリゲス氏は、この天体の「通常とは異なる軌道」と「太陽系を横切る非常に大きなスピード」に注目し、A11pl3Zは太陽系外から飛来した恒星間天体だと考えています。同氏は、その大きさをおよそ直径40キロメートルと見積もっています。
なぜ太陽系外から来た可能性があるのか
欧州宇宙機関は、A11pl3Zの正体や起源について「まだ確定には至っていない」としており、今後の観測が鍵になるとしています。現段階では、天体の軌道や速度をさらに詳しく測定し、その動きを長期間追跡する必要があります。
トリゴ=ロドリゲス氏が注目しているのは、この天体が示す「奇妙な軌道」と「太陽系を一気に横切るような極端なスピード」です。こうした特徴を根拠に、同氏はA11pl3Zを恒星間天体だと見ていますが、その判断を裏付けるためには、複数の観測チームによる追加データが重要になります。
確認されれば3例目の「恒星間天体」に
欧州宇宙機関によると、A11pl3Zが本当に別の恒星系から来た天体だと確認されれば、私たちの太陽系を通過する恒星間天体としては、観測された中で3番目の存在となります。
1つ目の例は2017年に確認された「オウムアムア」です。ハワイの観測所で発見されたことから、ハワイ語で「斥候」を意味する名が付けられました。発見当初は小惑星と分類されましたが、細長い形をしたオウムアムアは、その後の観測から彗星としての性質も示しているとされています。
2つ目の例は2019年に見つかった「21/ボリソフ」です。こちらは、別の恒星系から私たちの太陽系に入り込んだ彗星だと考えられています。
もしA11pl3Zが恒星間天体だと正式に認められれば、2017年、2019年に続く「3番目の訪問者」となり、太陽系の外と内をつなぐ貴重な観測対象となります。
今後の観測で焦点となるポイント
今後、A11pl3Zをめぐる観測や分析で注目される点は次のようなものです。
- 太陽系外から来た天体かどうかという起源の最終的な判定
- 岩石主体の小惑星なのか、氷を多く含む彗星なのかといった性質の違い
- 直径や形状など、具体的な物理的特徴
- 太陽系を通過した後、どの方向へ去っていくのかという軌道の詳細
こうした点を明らかにするために、A11pl3Zの明るさの変化や軌道のわずかなずれを、時間をかけて精密に追う必要があります。NASAもこの天体を継続的にモニタリングしており、今後、観測が進めば詳細な解析結果が公表されることが期待されています。
2025年の私たちと「太陽系外からの訪問者」
この種の宇宙ニュースは、日常生活に直結する話題ではないかもしれません。しかし、太陽系の外から飛来したかもしれない天体が、いま私たちの太陽系を横切っているという事実は、宇宙のスケールの大きさや、多様な世界の存在をあらためて意識させてくれます。
2017年と2019年に続き、3例目の恒星間天体となる可能性があるA11pl3Z。その正体が小惑星なのか彗星なのか、そして本当に太陽系外からの「訪問者」なのか。今後の観測結果が明らかになっていく過程を追いかけてみると、ニュースの見え方や、宇宙に対する自分自身の感覚も少し変わってくるかもしれません。
Reference(s):
Astronomers track object possibly from beyond the solar system
cgtn.com








