新発見の彗星「3I/ATLAS」 太陽系を訪れた3番目の恒星間天体
太陽系の外から飛来した新たな彗星「3I/ATLAS」が見つかり、観測された恒星間天体としては3例目となりました。地球には接近しないものの、2025年12月現在、世界の天文学者が詳しい観測を進めています。
新発見の恒星間彗星「3I/ATLAS」とは
米航空宇宙局(NASA)によると、「3I/ATLAS」は太陽系の外、いわゆる恒星間空間からやって来たとみられる彗星で、私たちの太陽系を訪れた恒星間天体として確認されたのは3例目だとされています。
この天体は、チリ・リオウルタドに設置されたAsteroid Terrestrial-impact Last Alert System(ATLAS)望遠鏡によって、今週火曜日(現地時間)に初めてとらえられました。観測された軌道が、通常の太陽系内の天体とは異なることから、外部から飛来した恒星間天体だと判断されています。
これまでに観測された恒星間天体は、2017年に見つかった「1I/オウムアムア」と、2019年に発見された「2I/ボリソフ」の2つだけでした。「3I/ATLAS」はそれに続く3番目の来訪者という位置づけになります。
どこから来て、今どこにいるのか
NASAによれば、「3I/ATLAS」は天の川銀河の中心方向から、およそ毎秒60キロメートルという高速で太陽系へと向かってきました。現在は地球から約6億7000万キロメートル離れた位置にあり、引き続き観測が続けられています。
ATLASの共同主任研究者でハワイ大学の天文学者、ラリー・デノー氏は木曜日に、
「それ以外のことはまだほとんど分かっていません。この天体の組成(どのような物質でできているか)を調べるため、より大きな望遠鏡を使った多くの観測が動き始めています」
と述べ、観測がまだ初期段階にあることを強調しています。
氷の彗星、しかし「2I/ボリソフ」よりも巨大か
デノー氏によると、「3I/ATLAS」は2019年に発見された恒星間彗星「2I/ボリソフ」と同じく、氷を多く含む典型的な彗星とみられています。ただし大きさははるかに大きく、直径は最大で約10キロメートルに達する可能性があるといいます。
現在、「3I/ATLAS」にはかすかなコマ(彗星の核の周囲に広がるガスやちりの雲)が確認されていますが、太陽に近づくにつれてコマや尾が一気に明るくなる可能性があります。
今年中に太陽へ最接近、何が起きる?
「3I/ATLAS」は今年中に太陽に最も近づき、そのときには火星の軌道の内側まで入り込むとみられています。デノー氏は、
「この先何が起きるのかは誰にも分かりません。だからこそ、とてもわくわくするのです」
と語り、未知の天体が見せる変化への期待をにじませました。
最接近のタイミングに向けて、世界各地の大型望遠鏡がこの彗星を追いかけることで、
- 核の正確な大きさ
- 氷やちりの成分
- 太陽の熱にさらされたときの変化
などが、これから徐々に分かっていくと期待されています。
地球への影響と、私たちが注目したいポイント
天文学者によれば、「3I/ATLAS」が地球に脅威を与えることはありません。この彗星が地球に最も近づく距離は約2億4000万キロメートルにとどまり、衝突の可能性はないとされています。
今回の発見で押さえておきたいポイントを、最後に整理します。
- 「3I/ATLAS」は太陽系を訪れた3番目の恒星間天体
- チリのATLAS望遠鏡が発見し、NASAも追跡中
- 現在は地球から約6億7000万キロメートルの距離
- 氷を多く含む彗星とみられ、直径は最大約10キロメートルの可能性
- 今年中に太陽へ最接近するが、地球への脅威はなし
太陽系の外から飛来する恒星間天体が観測された例は、これまでにわずか2件しかありません。そこに今回の「3I/ATLAS」が加わったことで、その貴重さがあらためて浮き彫りになりました。
宇宙をめぐる国際ニュースとしても、今後の観測結果がどのような発見につながるのか、引き続き注目していきたいところです。
Reference(s):
Newly found comet is 3rd interstellar object seen in our solar system
cgtn.com








