インド航空機事故調査、機長の燃料カット操作に焦点 WSJ報道
2025年11月に起きたエア・インディア機の墜落事故をめぐり、調査の焦点が機長の操作に移りつつあります。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は水曜日の報道で、コックピットの会話記録から、機長がエンジンへの燃料供給を制御するスイッチを自らオフにした可能性があると伝えました。
インド航空機事故、機長の操作に注目
WSJが伝えたのは、先月に墜落したエア・インディア便のコックピットボイスレコーダー(音声記録)の内容です。米当局の証拠分析に詳しい関係者の話として、離陸後まもなく、機長がエンジンへの燃料を管理するスイッチを燃料遮断(カットオフ)の位置に動かしたとされています。事故機はボーイング787型機(ドリームライナー)でした。
この時、実際に操縦桿を握っていたのは副操縦士でした。記録された会話によると、副操縦士は離陸後にスイッチの位置が変わったことに驚き、その理由を機長に問いかけています。
コックピットの会話記録が示す緊迫の瞬間
WSJの報道によれば、スイッチ操作に気付いた副操縦士は驚きを示した後、パニック状態に陥ったといいます。一方で、機長は比較的冷静な様子だったとされています。
こうした会話の詳細は、米当局が進める初期分析の一部として明らかになったもので、事故原因の特定に向けて、調査の焦点が機長の判断と行動に移っていることをうかがわせます。
燃料カットオフ・スイッチとは何か
報道で言及されている燃料カットオフ・スイッチは、一般的に、ジェットエンジンへの燃料供給を開始・停止するための装置です。通常は、地上でエンジンを起動したり停止したりする際に操作されます。
一般論として、飛行中にこれらのスイッチが燃料遮断の状態に切り替えられると、エンジンが推力を失うおそれがあります。そのため、調査機関はスイッチの操作タイミングや意図、機体の状態などを詳しく検証するとみられます。
ベテラン機長と副操縦士、その経験
今回の事故で操縦にあたっていたのは、機長のスミート・サバーウォル氏と副操縦士のクライブ・クンダー氏です。報道によると、両名の総飛行時間はそれぞれ15,638時間と3,403時間でした。
1万時間を超える経験を持つ機長と、比較的若いながらも3,000時間以上の飛行経験を積んだ副操縦士という組み合わせで、コックピット内では通常、機長が最終的な判断権限を持ちながら、副操縦士が操縦を担当することも少なくありません。
当局と航空会社は沈黙、調査は継続
インドの航空行政を担う民間航空総局(DGCA)、機体メーカーのボーイング、運航会社のエア・インディアはいずれも、現時点で今回の報道内容についてコメントしていません。
航空事故調査では、コックピットボイスレコーダーの音声だけでなく、フライトデータレコーダー(飛行記録装置)や整備記録、運航マニュアル、乗員の訓練状況など、多くの要素が総合的に検証されます。WSJが伝える内容は、米当局による初期評価に基づくものであり、公式な最終報告がまとめられるまでには時間を要します。
読み手として押さえておきたいポイント
今回のインド航空機事故に関する国際ニュースから、私たちが押さえておきたいポイントを整理します。
- 事故は2025年11月に発生し、現在も原因をめぐる調査が続いている。
- WSJは、コックピットの会話記録から、機長が燃料カットオフ・スイッチを操作した可能性を報じている。
- 副操縦士は離陸後のスイッチ操作に驚き、動揺した様子を見せたとされる。
- インド当局やボーイング、エア・インディアは、現時点で公式コメントを出していない。
航空機事故の報道は、しばしば「誰のミスか」に注目が集まりがちですが、調査のプロセスでは、人間の判断だけでなく、機体の設計や整備体制、訓練や運航規程など、複数の要因が重なり合っていないかが丁寧に検証されます。今後、インドと米国の当局がどのような結論を示すのか、引き続き注視していく必要があります。
Reference(s):
Details in Indian aircrash probe shift focus to captain, WSJ reports
cgtn.com








