NASAクルー10、ISSから地球帰還 スペースX船で4人が太平洋に着水
NASAの宇宙飛行ミッション「クルー10」に参加していた4人の宇宙飛行士が、国際宇宙ステーション(ISS)での任務を終え、スペースXの宇宙船で地球に帰還しました。2025年12月現在、この出来事は「民間宇宙船が当たり前になる時代」の象徴として、宇宙ニュースの中でも注目されています。
クルー10、ISS任務を終えて太平洋に着水
クルー10の宇宙船は土曜日、ISSを離れてから約1日後、米カリフォルニア州南部沖の太平洋にパラシュートで着水しました。管制室からはスペースXのミッションコントロールが無線で「Welcome home(おかえり)」と呼びかけ、帰還を祝福しました。
宇宙船に乗っていたのは、NASAのアン・マクレーン氏とニコル・エイヤーズ氏、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の大西卓哉氏、ロシアの宇宙機関ロスコスモス所属の宇宙飛行士キリル・ペスコフ氏の4人です。日米露のクルーが同じ船で帰還したことは、ISS計画の国際協力の広がりをあらためて示しました。
4人は2025年3月に打ち上げられ、その後ISSでの任務にあたり、およそ5か月にわたって滞在したとされています。今回の帰還は、その長期ミッションの一区切りとなりました。
スターライナーのトラブルで「救援クルー」に
クルー10は、当初から「救援クルー」としての役割を担っていました。ボーイングが開発する宇宙船スターライナーのデモ飛行が不調に終わり、同機に乗っていたNASAのテストパイロット2人がISSに「足止め」される形になったためです。4人は、その2人を交代・支援するためのクルーとして、急きょISSへ向かいました。
今回のケースは、有人宇宙飛行において「バックアップ手段を複数確保しておくこと」の重要性を示しています。スペースXの宇宙船がISSとの往復という役割を担っていたからこそ、スターライナーのデモ飛行に問題が起きた際にも、NASAは別の宇宙船でクルーを送り出すことができました。日々のISS運用におけるリスク分散の現実的な姿とも言えます。
日米露4人のクルーが映す「宇宙協力」のかたち
今回のクルー10のメンバーは、NASA2人、JAXA1人、ロスコスモス1人という構成でした。政治や安全保障の議論が複雑さを増す2025年にあっても、ISSという「軌道上の実験室」では、各国の宇宙機関が協力して運用を続けています。
日本の大西卓哉氏にとっても、国際色豊かなクルーでの飛行は、科学実験やISS運用だけでなく、「異なるバックグラウンドを持つ仲間とともに宇宙で働く」という経験そのものに意味があります。日本の読者にとっては、JAXAがこうした国際プロジェクトの中でどのような役割を担っているのかを考えるきっかけにもなるでしょう。
2025年の宇宙開発と、これからの論点
クルー10の帰還は、「民間企業の宇宙船に乗り、国際チームが当たり前にISSを往復する」という時代がすでに現実になっていることを示しました。2025年12月の今、この出来事から考えられる論点はいくつかあります。
- 有人宇宙飛行でトラブルが起きたとき、誰がどこまで責任を負うべきか
- 複数の民間宇宙船を並行して運用することのコストと、安全面でのメリット
- 国籍の違う宇宙飛行士が同じ船に乗ることが、市民の宇宙開発への信頼や関心にどう影響するか
ISSの運用はこの先も続き、月や火星を目指す計画も動き出しています。クルー10の4人が果たした「救援クルー」としての役割は、今後の宇宙輸送システムを設計するうえでの現実的な教訓になりそうです。次にどのような国際クルーが、どんな目的で宇宙へ向かうのか。私たちもニュースを追いながら、自分なりの視点をアップデートしていきたいところです。
Reference(s):
NASA's Crew-10 astronauts return home from International Space Station
cgtn.com








