MetaがMidjourneyと提携 画像・動画生成AIで「見た目の良さ」競争へ
生成AIをめぐる競争が激しくなるなか、SNS大手のMetaが画像生成スタートアップMidjourneyと提携し、その「審美技術」を自社AIに取り込む動きが明らかになりました。画像や動画のクオリティを武器に、OpenAIやGoogleとどう差別化していくのかが注目されています。
MetaとMidjourneyの提携、何が起きたのか
フェイスブックの親会社であるMetaは、生成AIラボのMidjourneyと契約を結び、同社の「審美技術(aesthetic technology)」をライセンス供与されることで合意しました。この技術は、今後のMetaのAIモデルや製品群に組み込まれていくとされています。
Metaの最高AI責任者(Chief AI Officer)であるアレクサンドル・ワン氏は、現地時間の金曜日にXへの投稿で提携を公表し、両社の研究チーム同士が技術的に連携していくと説明しました。
今回の動きは、Metaが自社の生成AIを「ビジュアルの質」で差別化しようとする戦略の一環です。ChatGPTを手掛けるOpenAIやGoogleなど、強力な競合がいる中で、MetaはAI分野での存在感を再び高めようとしています。
Midjourneyとは?Metaが注目した「審美技術」
Midjourneyは、テキストで入力した指示(プロンプト)から画像を生成するサービスを提供するスタートアップです。ユーザーはサブスクリプション(定額課金)モデルでツールを利用でき、アート風のビジュアルや高品質なイラストなど、多様なスタイルの画像を生成できることで知られています。
Metaがライセンスしたとされる「審美技術」は、単に画像を作るだけでなく、構図や色使い、スタイルの一貫性など、見た目の「良さ」をコントロールするためのノウハウや技術群だと考えられます。これによりMetaは、次のような強化を狙っているとみられます。
- ユーザー向け:SNS上で使える画像・動画生成機能のビジュアル品質を向上させる
- マーケター向け:広告やキャンペーン用のクリエイティブを、低コストかつ短時間で制作できるようにする
- クリエイター向け:AIを使った新しい表現ツールを提供し、制作の幅を広げる
MetaのAI戦略と「Superintelligence Labs」
今回の提携は、Meta内部で進むAI戦略の再編とも連動しています。Metaは、これまで分散していたAI開発を「Superintelligence Labs」という組織のもとに再統合し、生成AIへの投資を加速させています。
この再編は、上級スタッフの相次ぐ退任や、最新のオープンソース大規模言語モデル「Llama 4」への評価が必ずしも高くなかったことを受けた、高リスク・高リターンの取り組みだと位置づけられています。言語モデルの評価が伸び悩む中で、Metaが次の勝負どころとして「ビジュアル品質」に軸足を移している構図が見えてきます。
ワン氏はXへの投稿で、最良の製品を届けるためには、優秀な人材、強力な計算資源(コンピュート)計画、そして業界トップ企業とのパートナーシップが重要だと強調しました。Midjourneyとの提携は、そのパートナーシップ戦略の象徴的な一手といえます。
ユーザーとマーケターにとって何が変わる?
提携の具体的なプロダクトはまだ明らかになっていませんが、今回の合意が実際のサービスに落とし込まれた場合、ユーザーや企業側には次のような変化が考えられます。
- より「映える」投稿が簡単に:テキストから自動で生成される画像・動画のクオリティが上がれば、特別なデザインスキルがなくても、見栄えの良い投稿を作りやすくなります。
- 制作コストの圧縮:マーケターや中小企業にとって、広告バナーやキャンペーン画像などの制作コストを下げられる可能性があります。
- エンゲージメントの向上:SNS上で目を引くビジュアルが増えれば、ユーザーの反応や滞在時間の増加につながることも期待されます。
一方で、生成AIによるコンテンツが急速に増えると、品質管理や誤情報の拡散防止など、新たな課題も生まれます。MetaとMidjourneyの技術連携が、どのようなルールやガイドラインとセットで運用されるのかも、今後の重要なポイントになりそうです。
激化する生成AI競争 「見た目の良さ」が次の戦場に
2025年の生成AI競争では、文章生成だけでなく、画像や動画などのビジュアル領域での差別化が一段と重要になっています。MetaとMidjourneyの提携は、その流れを象徴する動きです。
OpenAIやGoogleなどが自社の生成AI技術を急速に進化させるなか、Metaはオープンソース戦略と外部パートナーとの連携を組み合わせることで、独自のポジションを築こうとしています。
今後、Metaのプラットフォーム上で、どのようなAI生成画像・動画体験が登場するのか。ユーザーにとっては便利さが増す一方で、クリエイターや企業にとっては、AI時代の「見せ方」をどうアップデートしていくかが問われる局面になりそうです。
Reference(s):
Meta inks deal with Midjourney on AI image and video generation
cgtn.com








