がんリスクを減らす生活習慣入門 専門家が語る40%は予防可能
がんの約40%は生活習慣の見直しで防げる可能性がある──。米マイアミ大学ミラー医学校シルベスター包括がんセンターの血液内科部門長、ミッカエル・A・セケレス教授は、生活習慣を変えることで多くのがんを予防できると指摘しています。本記事では、この考え方を手がかりに、日常の行動でがんリスクを減らす視点を整理します。
なぜ生活習慣でがんリスクが変わるのか
がんと聞くと、遺伝や運の問題だと感じてしまいがちです。しかしセケレス教授によると、がんのかなりの割合は、喫煙や食事、運動、飲酒などの生活習慣と結びついており、およそ40%は生活習慣の改善によって予防できる可能性があるとされています。
これは、がんのリスクをゼロにできるという意味ではありません。ただ、症状が出てから受け身で対応するのではなく、普段の選択を少しずつ変えていくことで、将来の病気を減らせる余地が大きいことを示しています。
今日から見直したい5つの生活習慣
すべてを完璧に変える必要はありません。できるところから少しずつ始めるほうが、結果的には長続きしやすく、がん予防の効果も期待できます。
1. たばこをやめる・副流煙を避ける
喫煙は、肺がんだけでなく多くの種類のがんリスクを高める要因とされています。自分で吸わないことに加え、他人の煙を吸い込む副流煙を避けることも大切です。完全にやめるのが難しくても、本数を減らす、禁煙外来など専門のサポートを利用するなど、一歩ずつ前進することが意味を持ちます。
2. お酒との距離をとる
飲酒量が多いほど、いくつかのがんのリスクが高まるとされています。毎日飲んでいる場合は「飲まない日」をつくる、量を少し減らしてみるといった工夫から始めることができます。仕事の付き合いや会食が多い人も、自分のペースを守る意識が重要です。
3. 食事は「バランス」と「質」を意識
特定の食品だけに頼るのではなく、さまざまな食材を組み合わせてバランスよく食べることが、結果的にがん予防にもつながります。
- 野菜や果物を毎日の食事にしっかり取り入れる
- 白いご飯やパンだけでなく、玄米や全粒粉なども選択肢に加える
- 加工肉や揚げ物、塩分や砂糖の多い食品を「たまの楽しみ」にとどめる
食事を変えるのは負担に感じやすいですが、まずはコンビニでサラダやカットフルーツを一品追加するなど、小さな工夫から始められます。
4. 無理のない運動習慣をつくる
激しいトレーニングを突然始める必要はありません。通勤で一駅分歩く、エレベーターの代わりに階段を使う、自宅で短時間のストレッチをするなど、生活の中で体を動かす時間を少し増やすだけでも変化が期待できます。
座りっぱなしの時間が長い人は、1時間に一度は立ち上がって体を伸ばすことを意識するだけでも、体への負担を減らすことができます。
5. 体重管理・睡眠・ストレスケア
肥満は複数のがんリスクと関連することが指摘されています。急激なダイエットではなく、食事と運動のバランスを見直しながら、少しずつ体重を整えていくことが現実的です。
あわせて、質のよい睡眠やストレスケアも重要です。夜更かしを減らす、入浴やストレッチでリラックスする、悩みを一人で抱え込まず周囲に相談するなど、心身を休める時間を意識的につくることが、長期的ながん予防にもつながります。
「どうせ変わらない」から「少しなら変えられる」へ
がんの診断や家族の病気の経験は、ときに大きな無力感をもたらします。しかしセケレス教授の示す「約40%は予防可能」という視点は、私たちがまったくの無力ではないことを教えてくれます。
大切なのは、自分を責めることではなく、「今日からできる一つ」を見つけることです。たばこを1本減らす、エレベーターをやめて階段を使う、夜にスマートフォンを見る時間を10分短くする──その小さな選択の積み重ねが、将来のがんリスクを確実に下げていきます。
この記事は一般的な情報にもとづくもので、気になる症状や具体的な治療・検査については、かかりつけ医や専門医に相談することをおすすめします。生活習慣を見直すことは、がん予防だけでなく、日々をより心地よく過ごすことにもつながります。
Reference(s):
cgtn.com








