米国が中国製ドローンと大型車輸入に新たな制限方針 安全保障を理由に
米トランプ政権が、中国製ドローンと中・大型車両の輸入を制限、あるいは事実上禁止し得る新たなルール作りを進めています。安全保障上の懸念を理由とする今回の動きは、2026年以降の自動車輸入規制とあわせて、米中間の経済関係とサプライチェーンに影響を与える可能性があります。
米商務省が準備する新ルールの中身
米商務省は金曜日の発表で、中国などを念頭に、ドローンとそのサプライチェーンに不可欠な情報通信技術(ICT)、そして重量1万ポンド(約4.5トン)を超える車両の輸入を対象とする新たな規則を、早ければ今月中にも示す方針を明らかにしました。
新ルールは、安全保障上の懸念があるとされる国からの製品について、特定の情報通信技術を含むものを制限、あるいは輸入禁止の対象とすることを視野に入れているとされています。
ドローンとサプライチェーンに焦点
今回の動きの中心にあるのは、中国製を含む商用ドローンと、そのサプライチェーンです。米商務省は今年1月の時点で、ドローンの機上コンピューター、通信・飛行制御システム、地上管制装置、運用ソフトウェアやデータ保存といったドローン関連システムにも制限を広げる可能性に言及していました。
米国の商用ドローン市場では、中国からの輸入品が大半を占めており、そのうち半分以上は、世界最大のドローンメーカーとされるDJI製だとされています。こうした市場構造のなかで輸入制限が導入されれば、米企業や行政機関の調達のあり方にも変化が生じる可能性があります。
1万ポンド超の中・大型車も対象
新たな規則は、重量1万ポンド(約4.5トン)以上の中・大型車両も対象に含める方針です。対象となるのは、中国など米国が安全保障上の懸念を示す国から輸入される車両で、すでに予定されている乗用車やその他トラックへの輸入規制を補完する位置づけとみられます。
すでに米国は、自動車や一部トラックの輸入について、新たなルールの適用を予定しており、今回の中・大型車の扱いは、その延長線上にある動きです。
バイデン政権の措置とのつながり
今回のトランプ政権による計画は、今年1月にバイデン政権が最終決定した措置を受けたものと位置づけられています。当時の決定では、中国製の自動車やトラックに搭載されるソフトウェアやハードウェアに対する制限を通じて、2026年からは中国製の車両のほとんどが米市場から事実上締め出される見通しとなりました。
ドローンや中・大型車への制限は、こうした自動車分野の規制をさらに拡大し、より重い車両と空の無人機までをカバーする形になります。ソフトウェアやデータの扱いを含め、車両やドローンが「動く情報端末」として捉えられていることが背景にあるといえます。
米国が掲げる安全保障上の懸念
米政府は、ドローンやインターネットに接続された車両に組み込まれた情報通信技術が、国家安全保障に関わる可能性があると説明しています。特に海外で開発・供給されるソフトウェアやハードウェアが、重要インフラや機密情報にアクセスする経路となり得る点を警戒しているとみられます。
商務省は1月の段階で、ドローンの機上コンピューター、通信・飛行制御システム、地上管制装置、運用ソフトウェア、データ保存システムなども、必要に応じて制限の対象に含める可能性を示しており、今月公表される新ルールがどこまで踏み込むのかが注目されます。
中国側の反応と懸念
こうした米国の動きに対し、中国外交部の毛寧報道官はこれまでに、米国が国家安全保障の概念を行き過ぎて拡大し、正常な経済・貿易交流を妨げていると批判してきました。また、その結果として、世界の産業・サプライチェーンの安全と安定が損なわれているとの懸念も示しています。
毛報道官は、中国は自国の合法的な権利と利益を断固として守るために、必要なあらゆる措置を取ると強調しました。今後、米国の最終ルールの内容や発動タイミング次第では、中国側がどのような対抗措置を検討するのかも、国際社会の関心を集めそうです。
ドローン市場とサプライチェーンへの影響
中国からの輸入品が米商用ドローン市場の大半を占め、そのうち半分以上をDJI製が占めているという構図を踏まえると、今回のような規制強化は、米国内のドローン調達や運用のあり方に直接的な影響を与え得ます。代替供給源の確保やコスト増、技術選択の変更など、企業や行政にとっての調整が必要になる可能性があります。
また、中・大型車両の輸入制限が本格化すれば、物流や建設など重車両を使う産業にも影響が及びかねません。すでに決まっている2026年からの自動車・トラック規制と合わせて考えると、米国市場での車両・ドローン関連サプライチェーンを再編する動きが加速することも考えられます。
一方で、中国側は、過度な安全保障の名目による制限は、世界全体の産業・サプライチェーンの安定を損なうと警戒しています。安全保障と自由な経済活動をどう両立させるのか。今回のドローンと中・大型車をめぐる輸入規制を巡って、米中両国のスタンスの違いがあらためて浮き彫りになっています。
Reference(s):
U.S. plans to restrict imports of Chinese drones, heavy-duty vehicles
cgtn.com








