世界を魅了したブラッドムーン 皆既月食が見せた赤い月の正体
現地時間の日曜日から月曜日の早朝にかけて起きた皆既月食で、月が深い赤色に染まり「ブラッドムーン(血の月)」となり、世界中の星空ファンを魅了しました。
世界を包んだ「ブラッドムーン」
今回の皆既月食は、国際ニュースとしても大きく取り上げられました。アジアと西オーストラリアでは、欠け始めから終わりまで「フルショー」を楽しむことができ、多くの地域で赤く染まった月が夜空に浮かびました。
ヨーロッパやアフリカの多くの地域では、月が地平線から昇ってきたときにはすでに皆既食に入っており、昇る赤い月という印象的な光景になりました。一方で、アメリカ大陸の多くの地域では今回は観測のチャンスがありませんでした。
時刻や場所によって見え方は違ったものの、天文情報サイト「Time and Date」によると、世界人口の70億人以上が、少なくとも一部の月食を観測できる範囲に入っていたとされています。
皆既月食で月が赤く見える理由
皆既月食は、地球が太陽と月のちょうど間に入り、月に届く太陽光を遮るときに起こります。今回の皆既食は約80分ものあいだ続き、月が地球の影の深い部分を通過したため、長時間にわたって赤い月が見られました。
北京プラネタリウムの専門家、寇文(Kou Wen)氏は中国メディアのChina Media Group(CMG)の取材に対し、「皆既月食は比較的まれな現象で、地球が月と太陽の間にぴったり入り込んだときに起きます」と説明しています。
寇氏によると、地球は厚い大気に包まれているため、太陽光の一部は大気で屈折・散乱され、波長の長い赤い光だけが月まで届きます。このため、皆既月食中の月は赤やオレンジ、銅色(ブロンズ)のような色合いに見えるのです。
赤い月のそばに輝いた土星
今回の天体ショーでは、月だけでなく土星も主役の一つでした。赤く染まった月の左上、すぐそばに明るい点のように見えたのが土星です。肉眼でも星のような光点として確認でき、望遠鏡や双眼鏡を使った観測では、月と土星が並ぶ幻想的な眺めを楽しむことができました。
次の皆既月食は2026年3月3日
今回の「ブラッドムーン」を見逃してしまった人にも、次のチャンスがあります。次の皆既月食は2026年3月3日に起こると予想されています。現在は2025年末のため、この天体ショーまでまだ少し時間がありますが、準備をして待つことができます。
次回の観測を楽しむために、いくつかのポイントを押さえておきましょう。
- 観測地の天気予報を事前にチェックし、雲の少ない場所を選ぶ。
- 街明かりの少ない場所に移動し、暗い空を確保する。
- 月食は肉眼でも安全に観測できるので、長時間観察する場合は防寒対策を優先する。
同じ空を見上げるという体験
一度に数十億人が観測可能な天体現象は多くありません。今回の皆既月食は、アジア、アフリカ、ヨーロッパなど世界各地の人々が、同じ「赤い月」を見上げていたかもしれないという事実を思い起こさせます。
国や地域、言語や文化が異なっていても、夜空に浮かぶ月はひとつです。皆既月食やブラッドムーンのような現象は、科学的な興味だけでなく、「自分たちは同じ惑星に暮らしている」という感覚を静かに思い出させてくれる出来事でもあります。
Reference(s):
cgtn.com








