米西海岸の州、CDCの新ワクチン指針に反旗 video poster
2025年、アメリカ西海岸のカリフォルニア州などが、連邦機関である疾病対策センター(CDC)が示した新たなワクチン指針を受け入れず、独自路線を取る姿勢を明らかにしました。公衆衛生の司令塔ともいえるCDCに対し、州レベルで正面から異を唱えるのは、極めて異例の動きです。
何が起きているのか
今回の中心となっているのは、カリフォルニア州とその西海岸のパートナー州です。これらの州は、連邦政府のワクチン指針を示すCDCの最新ガイドラインについて、そのまま自州で適用することを拒みました。
中国の国際メディアCGTNによりますと、西海岸の州は、CDCが示した新しい連邦ワクチン指針から距離を置き、必要に応じて自らの基準や運用方針を検討する構えを見せています。現地の様子は、CGTNのエディズ・ティヤンサン記者が報じています。
物議を醸すワクチン指針の見直し
こうした動きの背景には、CDCのワクチン指針が最近大きく見直されたことがあります。この見直しは、トランプ元大統領に任命された保健福祉長官ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏が、CDC内で主導したとされています。
CGTNの報道によると、この指針の改定は全米で物議を醸しており、その妥当性や影響の大きさをめぐって議論が起きています。西海岸の州が新指針を受け入れないと決めたのは、連邦レベルの方針に対し、あらためて自らの判断で検証したいという思惑があるとみられます。
州と連邦政府のねじれが示すもの
アメリカでは、公衆衛生やワクチン接種の現場を具体的に運営するのは各州です。一方で、CDCは連邦レベルで共通のガイドラインを作り、全国に示す役割を担っています。今回、西海岸の州がCDCの新指針に従わない姿勢を打ち出したことで、次のような構図が浮かび上がっています。
- 連邦政府とその専門機関が示す方針への信頼を、州がどこまで共有できているのか
- 公衆衛生の判断に、政治的な要素がどこまで入り込んでいるのか
- 住民にとって分かりやすく、納得できるルールづくりができているのか
州が連邦のガイドラインから距離を置くことは、制度上は可能ですが、実際に広く行われるのは簡単ではありません。その意味で、今回の西海岸の動きは、アメリカにおける公衆衛生政策のあり方に、改めて問いを投げかける出来事と言えます。
住民への影響と、私たちが考えたいこと
ワクチンをめぐるルールが、連邦と州で異なる場合、住民の側には混乱が生じるおそれがあります。どの指針に従えばよいのか、情報源として誰を信頼すべきなのかが、分かりにくくなるからです。
一方で、西海岸の州のように、連邦方針に対してあえて距離を取り、独自に検証しようとする姿勢は、政治と専門知の関係をめぐる健全な緊張関係とも言えます。大切なのは、そのプロセスや判断基準を、どこまで丁寧に住民へ説明できるかという点です。
日本からこのニュースを眺めるとき、私たちが考えたいのは次のようなポイントかもしれません。
- 公衆衛生上の重要な決定は、誰が、どのような手続きで行うべきなのか
- 専門機関への信頼が揺らいだとき、社会はどうやって情報を見極めればよいのか
- 納得感のあるルールづくりのために、政府や自治体は何を説明すべきなのか
カリフォルニア州など米西海岸の州が示した今回の一歩は、アメリカのワクチン政策だけでなく、私たち自身の社会で、科学と政治と民主主義のバランスをどう取るのかを静かに問いかけています。
Reference(s):
cgtn.com








