Googleの新AI「DolphinGemma」がイルカとの対話に挑戦 video poster
2025年にサンフランシスコで開かれたAIカンファレンスで、Googleがイルカの鳴き声を学習した新しいAIモデル「DolphinGemma」を発表しました。人間と動物のあいだの「ことば」の壁に挑む試みとして、国際ニュースやテクノロジー分野で注目を集めています。
Googleの新AIモデル「DolphinGemma」とは
今回Googleが披露したDolphinGemmaは、これまでの対話型AIとは異なり、イルカのクリック音やホイッスルなどの鳴き声を中心に学習したとされています。目的は、人間とイルカのあいだのコミュニケーションの手がかりを見つけることです。
会場となったサンフランシスコのAIカンファレンスでは、「世界で初めてイルカの音声を本格的に学習したAIモデル」として紹介され、研究者や開発者から大きな関心が寄せられました。
なぜイルカの鳴き声にAIが注目するのか
イルカは社会性が高く、複雑な鳴き声で仲間とやり取りしていると考えられています。しかし、人間の耳には単なる音のパターンにしか聞こえず、その意味を解き明かすことは長年の課題でした。
AIモデルを使うことで、膨大な鳴き声データから「パターン」や「ルール」を見つけ出し、人間の言語とは異なるかたちのコミュニケーションの構造を推測できる可能性があります。DolphinGemmaは、その最前線に立つプロジェクトと言えます。
DolphinGemmaが開くかもしれない新しい可能性
まだ発表されたばかりで、実際にどこまで「対話」に近づけるのかは未知数です。それでも、いくつかの活用イメージはすでに議論されています。
- イルカの行動やストレス状態を、鳴き声からより正確に推定する
- 野生のイルカの群れの動きを、リアルタイムにモニタリングする補助ツールとして使う
- 海洋保全の現場で、イルカに負担をかけない調査手段を増やす
- 教育や科学コミュニケーションの場で、「動物のことば」を可視化する体験コンテンツに応用する
こうした応用は、海の生態系を守る取り組みや、動物との共生のあり方を考え直すきっかけにもなり得ます。
それでも残る大きな問いと課題
一方で、「AIが動物のことばを翻訳する」というイメージは、期待と同じくらい慎重さも必要です。たとえば、次のような論点が指摘されています。
- AIが見つけたパターンが、本当に「意味」や「意図」と対応しているのかは簡単には証明できない
- 人間側の都合の良い解釈を押し付けてしまうリスクがある
- イルカを含む野生動物のデータをどこまで収集し、どう扱うかという倫理の問題
DolphinGemmaのようなモデルは、技術だけでなく、動物観や自然との関わり方そのものを問い直すプロジェクトでもあります。
人間と動物の関係をアップデートするテクノロジーに
2025年12月時点で、DolphinGemmaは「人間とイルカが自由に会話できるツール」からはまだ遠い段階にあります。それでも、こうした試みが進むことで、私たちが動物をどう理解し、どう向き合うかという視点は少しずつ変わっていきそうです。
国際ニュースとして見れば、Googleの新AIモデルは、AIが単に人間の生産性を上げるためだけでなく、地球上の他の生き物との関係を見直すためにも使われ始めていることを示しています。今後、DolphinGemmaの研究成果や実証実験が公開されていけば、その一歩一歩がSNSや日常の会話で大きな話題になるかもしれません。
私たちが注目したいのは「AIがどこまで賢くなるか」だけではなく、「その技術を使って、どんな共生の未来を選び取るのか」という問いです。DolphinGemmaは、その議論を始めるための象徴的なプロジェクトになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








