SpaceXスターシップ、11回目の試験飛行完了 月・火星向け改良機へラスト前哨戦 video poster
民間宇宙企業SpaceXが、巨大ロケット「スターシップ」の11回目となる試験飛行を実施し、月・火星ミッション向け改良機のデビュー前となる重要な一歩を踏み出しました。
11回目のスターシップ試験飛行で何が行われたか
現地時間の月曜日、SpaceXはテキサス州にある発射施設からスターシップロケットを打ち上げました。ロケットは、上段のスターシップ機と、その下に据え付けられたスーパー・ヘビーブースターで構成されています。
打ち上げ後、スターシップ上段は宇宙空間まで到達し、その過程で各種システムの動作が検証されたとみられます。分離したスーパー・ヘビーブースターは制御された降下を行い、メキシコ湾へのソフトな着水に成功しました。
着水後、ブースターは着陸用エンジンの構成を試験したのち、事前に計画されていた通り自らを爆破し、機体を安全に処分しました。試験飛行の一環として、再使用を想定した着陸プロセスと、安全確保のための自己破壊手順が同時に確認された形です。
今回のフライトが持つ意味
今回のスターシップ11回目の試験飛行は、SpaceXにとって一区切りとなるフライトでした。同社は、このフライトをもって現在の仕様による試験を終え、次の段階として月や火星ミッション向けに改良した「アップグレード版」スターシップの試験に移行する方針です。
つまり、今回までの一連の飛行データや着水試験の結果が、次世代機の設計や運用計画に反映されていくことになります。とくに、巨大ブースターの制御や着水技術、自己破壊システムの確実な作動は、将来の長距離ミッションにおける安全性や信頼性の土台となります。
月・火星ミッションへのステップとして
SpaceXは、スターシップを月や火星など、地球外の目的地へ人や物資を運ぶための大型ロケットとして位置づけています。今回の試験飛行は、そのための長期的な開発ロードマップの中の一ステップです。
今後予定されるアップグレード版スターシップの試験では、
- 長距離飛行に耐える機体構造
- 効率的な推進システムと着陸エンジン構成
- 繰り返しの打ち上げ・着陸を見据えた運用プロセス
といった要素が、総合的に検証されていくとみられます。11回目まで重ねてきた飛行試験は、その土台づくりのフェーズが終わり、次はいよいよ「実戦的な」月・火星ミッションを見据えた段階に入ることを意味します。
私たちが押さえておきたい3つのポイント
この国際ニュースを日々の情報収集の中でどう位置づけるか。押さえておきたいポイントを3つに整理しました。
- 1. 11回目で一区切りのフェーズへ
今回の試験飛行は、現行仕様によるスターシップのラストフライトと位置づけられています。ここまでのデータが、次のアップグレード版につながります。 - 2. ブースターのソフト着水と自己破壊
メキシコ湾へのソフトな着水と、その後の自己破壊というプロセスは、再使用と安全確保を両立させるための重要な技術検証といえます。 - 3. 月・火星を見据えた長期プロジェクト
今回のフライト単体ではなく、「月と火星を目指す長期計画の中の一つのステップ」として見ることで、宇宙開発の流れが立体的に理解しやすくなります。
2025年12月現在、宇宙開発は各国・各企業が競い合う段階から、協力や役割分担を模索する段階へと入りつつあります。その中で、SpaceXのスターシップ計画は、民間企業が主導する新しい宇宙インフラづくりの象徴的なプロジェクトの一つとなっています。
次に予定されるアップグレード版スターシップの試験では、どこまで月・火星ミッションに近づけるのか。新たなフライトの一つひとつが、宇宙との距離だけでなく、私たちの未来観やテクノロジー観を少しずつ変えていきそうです。
Reference(s):
SpaceX completes 11th Starship test before debuting upgraded prototype
cgtn.com








