ドイツで鳥インフル拡大 専門家が警鐘「次のパンデミックになりうる」
ドイツで高病原性の鳥インフルエンザ(H5N1型)が広がり、専門家が「次のパンデミックになりうる」と警鐘を鳴らしています。感染症への備えをどう考えるべきでしょうか。
ドイツ各地で鳥インフルエンザが拡大
ドイツではここ数週間、鳥インフルエンザの感染が急速に広がっており、当局は大規模な対応を迫られています。ドイツの連邦動物衛生機関であるフリードリヒ・レフラー研究所(FLI)は、最新の報告で国内の家きんおよそ50万羽が予防的な殺処分の対象になったと明らかにしました。対象にはニワトリやアヒル、ガチョウ、七面鳥などが含まれています。
FLIのクリスタ・キューン所長は、今後の見通しについて「事態がどのように進展するか予測することは不可能だ」としたうえで、「しかし、発生件数や感染例はさらに増加するとみている」と述べ、状況が悪化する可能性に言及しました。
「パンデミックの条件がそろっている」専門家の警告
こうした中、ドイツのウイルス学者クラウス・シュテーア氏は、鳥インフルエンザの拡大が将来のパンデミック(世界的大流行)につながりかねないと警鐘を鳴らしています。シュテーア氏は世界保健機関(WHO)のインフルエンザ対策プログラムの元責任者で、現在は感染症分野の専門家として発言を続けています。
シュテーア氏はドイツ紙「ミッテルドイチェ・ツァイトゥング」の取材に対し、H5N1ウイルスについて「パンデミックを引き起こすために必要な特徴をすべて備えている」と指摘しました。そのうえで、「パンデミックはこれまでも何度も起きてきた。最も良い防御は、あらかじめ周到に準備しておくことだ」と述べ、早い段階での備えの重要性を強調しました。
専門家が求める3つの備え
シュテーア氏は、パンデミックリスクに備えるために、少なくとも次の3点を急ぐべきだと提案しています。
- 新しいタイプのワクチン開発の加速
- 各国および世界全体のパンデミック対応計画の見直し・更新
- 家きんや野鳥など動物の集団に対する監視・モニタリング体制の強化
とくに鳥インフルエンザのように、まず動物の間で広がるウイルスについては、家畜や野鳥の段階でどれだけ早く異常を察知できるかが、人への感染リスクを抑えるうえで鍵になるとみられます。
私たちはどう向き合うべきか
今回の鳥インフルエンザの拡大と専門家の警告は、ドイツだけのニュースではありません。感染症は国境を越えて広がる可能性があり、食料供給や貿易、旅行などを通じて世界の社会・経済に影響を与えうるからです。
一方で、シュテーア氏が強調するように、「恐れるより備える」姿勢が重要です。政府や国際機関がパンデミック計画を見直すことに加え、私たち一人ひとりも、信頼できる情報源から状況を確認し、職場や家庭で「もしも」に備えた話し合いをしておくことが求められます。
ドイツでの鳥インフルエンザ拡大とその対応は、今後の国際ニュースや公衆衛生政策を考えるうえで、一つの重要なケーススタディになっていきそうです。
Reference(s):
Virologist warns of pandemic risk as bird flu spreads in Germany
cgtn.com








