ロシアのソユーズMS-28がISSへ出発 生成AIも活用
ロシアは木曜日、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からソユーズMS-28宇宙船を打ち上げ、国際宇宙ステーション(ISS)に向けて2人のロシア人宇宙飛行士と1人の米国人宇宙飛行士を送りました。今回のミッションでは、ロシア最大の銀行Sberbank(スベルバンク)が開発した生成AI「GigaChat」が初めて本格運用される予定で、長期滞在クルーの働き方にも注目が集まっています。
ソユーズMS-28がバイコヌールから打ち上げ
打ち上げにはソユーズ-2.1a型ロケットが使われ、モスクワ時間12時28分に離昇しました。ソユーズMS-28は、このロケットに搭載されてカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から国際宇宙ステーション(ISS)へと向かいました。
搭乗しているのは、指揮官を務めるロシアのSergei Kud-Sverchkov宇宙飛行士(2度目の宇宙飛行)、同じくロシアのSergei Mikayev宇宙飛行士、そしてNASA(米航空宇宙局)のChristopher Williams宇宙飛行士の3人です。Mikayev氏とWilliams氏にとっては、いずれも初の宇宙飛行となります。
Rassvetモジュールにドッキング
NASAによると、ソユーズMS-28は米東部時間午前7時34分にISSのRassvetモジュールにドッキングしました。その後、与圧や安全確認が済み次第、クルーはハッチを開けてステーション内部に移動する予定です。
ロシアと米国の宇宙飛行士が同じソユーズ機でISSに向かう今回のミッションは、現在も続く国際宇宙協力の一端を示すものでもあります。
生成AI「GigaChat」がクルーのルーティンを支援
今回のミッションの特徴の一つが、ロシア最大の銀行Sberbank(スベルバンク)が開発した大規模生成AI「GigaChat」の活用です。Sberbankの副社長Albert Efimov氏によると、このシステムは報告書の作成やデータベースの管理、日々のルーティン作業の効率化などを支援する予定です。
宇宙空間という制約の大きい環境で生成AIを業務に組み込む試みは、今後の有人宇宙飛行における「デジタル同僚」の在り方を探る実験とも言えます。クルーの負担軽減や情報整理をAIが担い、その上で重要な判断は人間が行うという役割分担が意識されそうです。
242日間の長期滞在 2026年夏に帰還予定
ソユーズMS-28のミッション期間は242日間と予定されており、クルーは来年夏、すなわち2026年夏に地球へ帰還する計画です。その間、ロシアの計画に基づき40件以上の実験が国際宇宙ステーションで行われます。
2026年の船外活動:太陽フレア観測とモジュール保守
船外活動(スペースウォーク)は2回予定されています。1回目は2026年4月に実施される見通しで、「Sun-Terahertz」と呼ばれる観測装置を設置します。この装置は、太陽フレアの予測精度を高めることを目的としています。
2回目の船外活動は2026年6月に計画されており、Zaryaモジュールの保守作業や、寿命が尽きつつある部品の交換が行われます。国際宇宙ステーションは運用開始から時間が経っているだけに、このような定期的なメンテナンスが安全な運用の鍵となります。
ショウジョウバエの「子孫」も再び宇宙へ
今回のミッションには、生命科学の実験も含まれています。その一つが、Bion-M No.2という生物衛星に搭載されて宇宙を飛行したショウジョウバエ(果実バエ)の直系の子孫を、再び宇宙空間に送り出す計画です。
同じ系統の生物を繰り返し宇宙環境に晒すことで、微小重力や放射線が遺伝や体の仕組みにどのような影響を与えるのかを、より長期的な視点で調べる狙いがあるとみられます。
国際宇宙ステーションと宇宙開発のこれから
ロシアと米国の宇宙飛行士が同じクルーとして活動し、生成AIが業務を支援し、生命科学や太陽観測の実験が並行して進む今回のソユーズMS-28ミッションは、国際宇宙ステーションを舞台にした宇宙開発の「現在形」を象徴しています。
来年夏まで続く長期滞在の成果は、将来の深宇宙探査や月・火星を視野に入れた有人飛行計画にとっても貴重なデータとなりそうです。宇宙とAI、そして国際協力がどのように組み合わさっていくのか。ソユーズMS-28の動向は、これからの数カ月間も注目を集め続けるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








