シンガポール、電気バス660台を発注 ディーゼル置き換えで26年後半から投入へ
シンガポールの公共交通が、静かに次のフェーズへ進みます。陸上交通庁(LTA)は電気バス660台の導入を決め、ディーゼル車両の置き換えを2026年後半から段階的に進めると発表しました。
電気バス660台を一括調達、内訳は単層・二階建て
LTAによると、今回の発注は6件の契約で行われ、内訳は以下のとおりです。
- 単層(シングルデッカー):360台
- 二階建て(ダブルデッカー):300台
車両は2026年後半から順次投入され、法定耐用年数の上限に達するディーゼルバスを置き換えていく計画です。老朽更新と脱炭素を同時に進める設計になっています。
「二階建て電気バス」の大規模購入は今回が初
LTAは月曜日に公表した声明で、今回の調達が電気の二階建てバスを大規模に購入する初の取り組みになると説明しました。輸送力を確保しながら電動化を進めるうえで、二階建て車両の本格導入は象徴的な一歩といえます。
充電インフラも並行整備、2025年11月に入札
車両だけでは電動化は回りません。LTAは2025年11月に、公共バス車両の電動化を支えるための電気自動車(EV)充電システムの設置に関する入札も実施しました。
運行の合間にどこで、どれだけの電力を、どの時間帯に確保するか——。充電計画はダイヤや車庫運用と表裏一体で、今後の導入ペースを左右する基盤になります。
2040年に「よりクリーンなエネルギーのバス車両」へ
LTAの声明では、シンガポールは2040年までに公共バス車両を「よりクリーンなエネルギー」による編成へ移行する方針を示しています。中間目標として、2030年までに電気バスが車両の半数を占める見通しで、今後も電気バスの入札を継続的に実施する考えです。
大型のゼロ排出車に補助金、2026年1月から3年間
さらにLTAは、車両電動化と脱炭素に向けた取り組みとして、以下を進めるとしています。
- ゼロ・テールパイプ・エミッション(排気ゼロ)の大型車の所有者向け助成(グラント)
- 大型車向けの充電ネットワーク拡充
これら2つのプログラムは、2026年1月1日に開始し、3年間提供される予定です。公共バスに限らず、大型車全体の電動化を後押しする仕組みとして位置づけられています。
なぜ今、この規模の調達が注目されるのか
今回のニュースのポイントは「台数」だけではありません。ディーゼル車両が寿命を迎えるタイミングで更新をかけることで、運行の安定性を保ちながら電動化の比率を引き上げる——。そのために、車両(660台)と充電インフラ(入札)を同時に動かし、さらに2026年からの助成制度で周辺の大型車市場も整えるという、複数レイヤーの設計が見えてきます。
電動化は「買って終わり」ではなく、運用・電力・設備・制度が連動して初めて日常に定着します。2026年後半の投入開始に向け、これからの具体設計がどこまで進むのかが注目点になりそうです。
Reference(s):
Singapore orders 660 electric buses as it phases out diesel fleet
cgtn.com








