OpenAIが「ChatGPT Health」発表 医療AIで中国本土のAnt「Ant Afu」と並走
医療・健康の相談に特化した新サービスが、生成AIの次の競争軸として浮かび上がっています。OpenAIは今週水曜日、「ChatGPT for Healthcare(ChatGPT Health)」を発表し、健康関連の質問対応とウェルネスアプリ連携を一体で進める方針を示しました。
「ChatGPT Health」とは何か
OpenAIによると、ChatGPT Healthは健康関連の質問に答えるための専用スペースとして運用されます。一般的なチャット体験と切り分けることで、医療分野で特に重視される安全性やデータ保護を強化する狙いがあります。
- 健康・ウェルネス領域の質問への対応
- Appleの健康管理アプリ「Apple Health」など、ウェルネスアプリとの接続
- サービス内の会話は基盤モデルの学習に使用しない(OpenAIの説明)
「毎週2.3億人」が健康の質問──利用の現実が後押し
OpenAIは、世界で毎週2億3,000万人以上がChatGPTで健康・ウェルネス関連の質問をしているとしています。すでにAdventHealth、Baylor Scott & White Health、Boston Children's Hospitalなど複数の医療機関がモデルを採用しているとも説明しました。
医療情報の「根拠」をどう作るか:権威ある情報に基づける設計
医療AIでは、便利さと同じくらい「誤情報をどう抑えるか」が問われます。OpenAIは信頼性向上のため、回答を権威ある情報源にグラウンディング(根拠づけ)するとしています。
- 査読付き研究論文(数百万本)
- 公衆衛生のガイダンス
- 臨床ガイドライン
生成AIが“それらしく”話せてしまう性質があるからこそ、参照元の質と運用設計がプロダクトの信用を左右しそうです。
中国本土でも同様の動き:Ant Groupが「Ant Afu」を強化
医療×AIの流れは中国本土でも加速しています。Ant Groupは先月(2025年12月)、AIヘルスアプリを「Ant Afu」へアップグレードし、AIを軸にした個人の健康管理へと再設計したとされています。Afuは中国語で「祝福」「健康」を意味するといいます。
さらに同社は、アップグレードから約1カ月後の時点で、以下の利用状況を公表しました。
- 月間アクティブユーザー:3,000万人
- 1日あたりのユーザー問い合わせ:1,000万件超
「人の医師」を組み込むアプローチ
Ant Groupは、AIだけで完結させず、人の医師を統合した点も特徴です。医療ニーズがある利用者向けに、Afuは30万人の認可医師によるオンライン診療相談につながる仕組みを備えるとされ、これまでに2,700万件以上の健康相談に回答したと同社は説明しています。
プライバシーは“機能”ではなく“前提”に
AIヘルスケアでは、データの取り扱いが信頼の土台になります。OpenAIは、ChatGPT Healthを分離空間として設計し、データ保護を強化したうえで、サービス内の会話を基盤モデルの学習に使わないと説明しました。
一方で、AIの回答品質、医療機関での導入、オンライン相談の体験など、どの部分に“人の関与”を残すのかは各社で設計が分かれます。医療情報の根拠づけと、プライバシーと、実運用での安全性。その三点をどう同時に満たすかが、2026年初頭の国際ニュースとしても注目点になっています。
Reference(s):
OpenAI launches ChatGPT Health after Ant Group's Afu upgrade
cgtn.com








