米戦争省、AI「Grok」を機密・非機密ネットに統合へ GenAI.milに参加
米戦争省(U.S. Department of War)は2026年1月12日(月)、イーロン・マスク氏の企業xAIが開発したAIチャットボット「Grok」を、ペンタゴンのネットワークに統合すると発表しました。軍の運用基盤にAIを“標準装備”していく動きが、いよいよ機密領域にも広がる形です。
何が発表されたのか:GrokがGenAI.milに参加
米戦争長官(Secretary of War)のピート・ヘグセス氏は、SpaceXでの場で、Grokが政府内の生成AI運用枠組み「GenAI.mil」に加わると説明しました。Grokは、すでに運用されているGoogleの生成AIシステムと並行して、戦争省内で稼働するとしています。
ヘグセス氏は「近く、部内のあらゆる非機密・機密ネットワークで世界最先端のAIを利用できるようにする」と述べ、Grokは今月中に正式に部内システムへ入る予定だとしました。
どこまで使うのか:軍のIT上の関連データにアクセス
発表では、軍の情報技術(IT)システム内にある関連データが、AIモデルからアクセス可能になるとも言及されています。つまり、単なる「チャットツール導入」ではなく、組織内データと結びついた意思決定・業務支援へ踏み込む設計が示唆されます。
想定される利用シーン(発表内容から読み取れる範囲)
- 情報整理・要約など、日常業務の効率化
- 軍の運用や計画立案を支える分析支援
- 非機密〜機密ネットワークでの横断的なAI活用
背景:AI加速戦略で「統合」を前提に
ヘグセス氏は、AI Acceleration Strategy(AI加速戦略)の狙いについて、AIを米軍の運用フレームワークに全面的に組み込み、技術革新と軍事能力を前進させることだと強調しました。生成AIを個別部署の試験導入で終わらせず、組織の基盤として統合する方針が前面に出ています。
気になる論点:生成画像をめぐる批判と利用制限
一方でGrokをめぐっては、Xプラットフォーム上で、女性や未成年とみられる人物を含む性的に描写された生成コンテンツが拡散し、批判が集まったとも伝えられています。これを受けて同社は、Grokの画像生成・編集機能を有料ユーザーのみに制限したとされています。
軍のネットワーク統合は、利便性と同時に、誤用や不適切生成、データの取り扱い、アクセス権限の設計といった論点を不可避にします。今回の発表は「導入するか」ではなく、「どう管理しながら組み込むか」が問われる段階に入ったことを印象づけます。
今後の注目点:「今月中」の正式導入で何が変わるか
Grokは今月中に戦争省のシステムへ正式導入される予定とされています。導入後に注目されるのは、どの領域(非機密・機密)で、どの業務データに、どの範囲までアクセスさせるのかという実装の細部です。AIの性能競争だけでなく、運用ルールと統制の設計が、実効性を左右しそうです。
Reference(s):
cgtn.com








