中国のR&D投資比率、2025年にOECD平均超え—統計局が発表
中国の研究開発(R&D)投資が、経済の質を語る指標として改めて注目されています。中国国家統計局(NBS)は2026年1月19日(月)2025年のR&D投資比率(GDP比)が2.8%に達し、OECD平均を初めて上回ったと明らかにしました。
R&D投資比率2.8%とは何を意味する?
R&D投資比率は、「経済規模(GDP)」に対して研究開発にどれだけ資金を振り向けているかを示す指標です。比率の上昇は、短期の景気だけでなく、技術・産業の中長期的な競争力づくりに重心が置かれていることを示唆します。
NBS局長の康義(Kang Yi)氏は会見で、こうした動きが中国経済の構造転換と歩調を合わせて進んでいると説明しました。
「世界トップ10」入り:イノベーション指数でも存在感
康氏によると、世界知的所有権機関(WIPO)の指標であるグローバル・イノベーション・インデックスでも、中国は2025年に初めて上位10位圏の経済に入ったとされています。研究開発の“投入”と、知的財産や製品化といった“成果”が結びつき始めている、という読み取りもできそうです。
ハイテク製造が加速:3Dプリンター、ドローン、産業ロボット
会見では、2025年のハイテク製造の伸びも具体的に示されました。NBSによれば、前年比で次のような増加があったといいます。
- 3Dプリンティング設備:52.5%
- 民生用ドローン:37.3%
- 産業用ロボット:28%
また製造業のデジタル化・自動化が進み、康氏は「ヒューマノイドロボットが工場に入ってきている」との趣旨を述べました。人手不足への対応、品質の平準化、危険作業の代替など、導入の理由は複合的になりやすい領域です。
500超の「スマート工場」:現場のアップデートが進む
工業・情報化部(MIIT)によると、2025年末までに「優良水準」のスマート工場が500以上整備されたとされます。高級設備、グリーンエネルギー、インテリジェント製造といった分野で、投資と生産の拡大が続いたという説明もありました。
投資の方向:情報サービスと航空宇宙関連が伸長
会見で示されたデータでは、投資面でも特徴が見えます。
- 情報サービスへの投資:28.4%増
- 航空機・宇宙機器・設備製造への投資:16.9%増
デジタル基盤と先端製造を同時に強化する構図は、研究開発投資の増加とも整合的です。
グリーン経済:NEVが1600万台、クリーン電力も増加
グリーン分野でも勢いが続いています。NBSの説明では、2025年の新エネルギー車(NEV)生産が1600万台を超え、1日平均では約4.5万台規模に相当します。さらに、NEVが中国国内の新車販売の過半を占めたとされます。
電力面では、水力・原子力・風力・太陽光などを含むクリーンエネルギーによる発電が、一定規模以上の工業企業で前年比8.8%増となったとのことです。製造の高度化と脱炭素の流れが、同じ時間軸で進んでいる様子がうかがえます。
2026年に向けて注目点:数字の先にある「現場」
研究開発やスマート工場、NEVの数字は分かりやすい一方で、次に焦点になりやすいのは“現場で何が変わるか”です。たとえば、
- 自動化の広がりが、品質・コスト・納期にどう反映されるのか
- デジタル化が、サプライチェーンの可視化や効率化にどうつながるのか
- クリーン電力の拡大が、産業全体の電力需要増とどう噛み合うのか
R&D投資比率の上昇はゴールではなく、技術が生産性や暮らしの実感にどの程度接続されるかが、2026年のニュースでも繰り返し問われていきそうです。
Reference(s):
China's R&D intensity exceeds OECD average for the first time
cgtn.com








