中国、6G技術試験が第2段階へ 主要技術300件超を蓄積
中国の工業情報化部(MIIT)は今週、6G(第6世代移動通信)の技術試験について、第1段階を完了し第2段階に入ったと明らかにしました。5Gの産業利用が広がる中で、次世代通信の“足場固め”が一段進んだ形です。
6G試験、第1段階で「300超の重要技術」を確保
MIITの当局者によると、中国は6G技術試験の第1段階を終え、300件を超える「重要な6G技術」をリザーブ(蓄積)したうえで、第2段階の試験を開始しました。通信の世代交代は、研究・実証・標準化・商用化といった複数のレイヤーが絡みます。今回の発表は、そのうち技術検証のプロセスが次の局面に進んだことを示します。
通信・情報分野の存在感:サービス量は前年比9.1%増
MIITの張雲明・副部長は、電気通信サービスの総量が前年比9.1%増となったこと、そして産業・情報分野が経済成長への寄与で40%超を占めたことに言及しました。通信インフラが「便利さ」だけでなく、産業全体の生産性や投資判断にも直結しているという見取り図が浮かびます。
特許の動き:2025年6月時点で6G出願が世界全体の約40.3%
国家インターネット情報弁公室に関連する国家研究機関が公表した「中国インターネット発展報告2025」によると、2025年6月時点で中国は6G特許出願で世界をリードし、全体の約40.3%を占めるとされています。
特許は「いま使えるサービス」そのものではありませんが、どの技術領域に研究開発が集中しているか、また将来の交渉力の源泉がどこに生まれやすいかを映す指標にもなります。
6Gは何が変わるのか:センシング・計算・AIの深い統合
MIIT側の説明では、6Gは5Gと比べて、センシング(検知)、コンピューティング(計算)、人工知能(AI)などの技術をより深く統合していくとされます。さらに、無線ネットワークのカバー範囲を地上中心から拡張し、空・宇宙・陸・海まで含む「フルカバー」へ広げる構想も示されました。
足元の5Gが支える現実:基地局480万、利用者12億
一方で、6Gの話題が先行しがちな中、現在の5Gがすでに大規模に回っている点も見逃せません。MIIT報道官の謝存氏によれば、中国は世界最大級の情報インフラを整備し、5G基地局は480万局超、5G利用者は12億人超に達しています。
「5G+産業インターネット」2万3000件:現場からの積み上げ
5Gの産業応用は加速しており、「5G+産業インターネット」のプロジェクトは2万3000件超が立ち上がったとされます。例として挙げられたのは、次のような取り組みです。
- 無人鉱山
- スマート港湾
- 消灯工場(暗闇でも稼働できる高度自動化施設)
また、5GとAIの統合が生産効率を押し上げている事例として、家電企業が自社開発の「5G+AI」産業用ビジョン検査(カメラ画像で不良などを判定する仕組み)を活用し、1人当たりの生産効率が275%増加した、と張副部長が紹介しました。
いま注目されるポイント:6Gは“未来の話”で終わらない
2026年に入った現在、通信の次世代化は「いつ来るか」だけでなく、「何が先に整うか」が問われています。今回の発表は、6Gの研究が前進していることに加え、5Gの産業利用が現場で成果を出し始めていることを同時に示しました。
6Gが目指すとされる空・宇宙・海までのカバーや、センシング・計算・AIの統合が進むほど、通信はインフラであると同時に“産業の設計図”にも近づきます。第2段階の試験が、どの領域の技術を厚くするのか。特許や実装事例の増え方とあわせて、次のニュースの読みどころになりそうです。
Reference(s):
China enters second phase of 6G trials, after 300 key tech milestones
cgtn.com








