IDC報告:2025年ヒューマノイド出荷が急増、中国本土企業が市場を牽引
ヒューマノイドロボットの「量産フェーズ」が一気に近づいています。IDC(国際データ公社)が今週公表した報告書によると、2025年の世界出荷は約1万8000台に達し、前年から508%増と急拡大しました。
数字で見る「2025年の急増」
レポートが示した主要なポイントは次のとおりです。
- 世界出荷:約1万8000台(前年比508%増)
- 世界売上高:約4億4000万ドル
- フルサイズ(大型)ヒューマノイドの売上構成比:41.6%
フルサイズ機は価格が高い一方で、活用シーンが広がりやすいとされます。売上の中心がフルサイズに寄っている点は、「研究用途中心」から「実装・運用に近い用途」へと関心が移りつつあることをうかがわせます。
出荷トップはAgiBot、Unitreeは「出荷は5500台超」と発表
IDCによれば、2025年の世界出荷で首位はAgiBotで、約5200台(うちフルサイズ1300台)でした。次いでUnitree Roboticsが続いたとされています。
一方でUnitree Roboticsは同じく今週木曜日に、2025年のヒューマノイド出荷が5500台を超えたと発表し、さらに受注数は納品数を上回るとも述べました。集計範囲や定義(モデルの含め方、販売計上のタイミングなど)で数字が揺れやすい領域でもあり、各社発表と調査会社推計が並走する構図が見えてきます。
中国本土は「330超の製品」を公開:厚みが競争力に
報告書の背景として注目されるのが供給側の厚みです。中国工業情報化部の張雲明・副部長は今週水曜日、2025年に中国本土で330を超えるヒューマノイド製品が公開されたと述べました。
製品のバリエーションが増えるほど、部品調達、開発者コミュニティ、保守や運用ノウハウなどが積み上がり、結果として「次の製品を出す速度」も上がりやすくなります。市場が拡大するほど、この循環が効いてくる可能性があります。
用途は「エンタメ・商業パフォーマンス」が最多
IDCによると、2025年の出荷用途は次の順で多かったとされています。
- エンターテインメント/商業パフォーマンス
- 研究・教育
- データ収集
- 展示・受付
- 産業向けの知能製造
- 倉庫・物流
「見せる用途」が先に伸びるのは、新技術が社会に浸透するときに起こりがちな流れです。安全管理や投資回収が比較的設計しやすい領域から導入が進み、その後、工場や物流などの“止められない現場”へ広がっていく——そんな段階の手前にいることを示しているのかもしれません。
競争の軸はハードから「能力・サービス・エコシステム」へ
レポートは今後、競争がハードウェア中心から、技術力(動作の安定性、認識、制御など)やサービス、エコシステムへ移ると予測しています。IDCのアナリスト、李俊蘭氏は「先行企業は明確な優位を維持する見通しで、小規模企業は特定用途に集中する必要がある」と述べました。
出荷台数の伸びが目を引く一方で、次に問われるのは「どの現場で、どのくらいのコストで、どれだけ安定して働けるか」です。2026年に入った今、ヒューマノイドは“未来のデモ”から“運用の設計”へ、静かに主戦場を移し始めています。
Reference(s):
IDC report: China leads the global humanoid robot rise in 2025
cgtn.com








