中国本土で柔らかいAIチップ「FLEXI」開発、4万回曲げても性能安定
中国本土の研究チームが、繰り返し曲げても性能が落ちにくいフレキシブルAIチップを開発しました。ウェアラブル機器やブレイン–コンピューター・インターフェース(BCI)など“体に沿うAI”の現実味を一段押し上げる成果として注目されます。
論文は2026年1月29日(木)にNature掲載
研究成果は、2026年1月29日(木)に学術誌Natureで報告されました。発表によると、薄く軽いフレキシブルチップ「FLEXI」は、180度の曲げを4万回以上繰り返しても性能劣化が確認されず、さらに約6か月の連続動作試験でも安定していたとされています。
なぜ「曲がるAIチップ」が重要なのか
従来の硬いシリコンベースのチップは、人体のような柔らかい曲面や複雑な形状に密着させる用途に向きにくい、という課題がありました。一方で既存のフレキシブルプロセッサは、消費電力や計算能力の面で制約を抱えやすいとも指摘されています。
省電力のカギは「メモリ内演算(compute-in-memory)」
FLEXIは、データを保存する部分(メモリ)と計算処理を近づけて一体化する「メモリ内演算」アーキテクチャを採用。データの往復(転送)を減らすことで、エネルギー消費の抑制を狙います。
小さな容量でも不整脈検出で高い精度
チップの容量は1キロビットと小さいものの、単体のフレキシブルチップで心拍の不整脈(cardiac arrhythmias)の検出に最大99.2%の精度を示したと報告されています。発表では、ウェアラブル医療機器への応用可能性が示されました。
サイズ感:紙より薄く、超低消費電力モードも
- 厚さ:約25マイクロメートル(標準的なA4用紙の約3分の1の厚み)
- 最小版の面積:31.12平方ミリメートル
- トランジスタ数:10,628
- 超低消費電力モード:55.94マイクロワット
次に起きそうなこと:実装の現場で問われる「耐久」と「用途」
4万回の曲げ耐性や6か月連続動作の安定性は、実際の装着・稼働シーンを意識した指標として読み取れます。今後は、どの用途でどんな形状・曲率・装着条件が想定されるのか、そして“曲がる”ことが価値になる場面(皮膚密着型センサー、曲面機器、BCIなど)でどこまで性能と省電力が両立できるのかが、現実のプロダクト化に向けた焦点になりそうです。
Reference(s):
Chinese researchers develop flexible AI chip that endured 40,000 bends
cgtn.com








