神舟21号クルー、天宮で3カ月経過も健康良好 筋力・薬物・心理実験が進行
中国本土の宇宙ステーション「天宮」で活動する神舟21号の3人クルーが、軌道上での滞在3カ月を無事に終え、健康状態は良好のまま任務が計画通り進んでいると、中国有人宇宙工程弁公室が伝えました。
3カ月の節目で確認された「健康」と「任務の進捗」
今回の発表で軸になっているのは、科学実験の前進だけでなく、長期滞在で最重要となる健康管理です。報道によると、クルーは運動を継続しながら定期的なモニタリングを受けており、各種チェックで良好な状態が確認されたとされています。
- 動的心電図
- 血圧モニタリング
- 超音波検査
- 骨密度測定
無重力の影響にどう向き合うか:下肢の筋力維持テスト
中国メディアグループが日曜夜に放映した映像報告では、無重力が身体に与える影響への対策として、下肢の筋力に関する刺激テストを実施したことが紹介されました。
任務指揮官の張路(ジャン・ルー)飛行士と、呉飛(ウー・フェイ)飛行士、張洪章(ジャン・ホンジャン)飛行士の3人は、バイオニック粘着シューズなどの専用装備を用いて脚の筋肉を刺激し、宇宙環境での筋肉の適応に関するデータを収集したといいます。
宇宙医学の焦点:薬が「効くまで」を追う薬物動態プロジェクト
宇宙医学研究では、薬物動態(薬が体内で吸収・分解・排出される過程)を調べるプロジェクトが進展しているとされました。報道によると、唾液サンプルを採取し、地上へ送って分析する計画で、宇宙での適切な服薬管理に必要な基礎データにつなげる狙いがあります。
「心」のコンディションもデータ化:心理テストを複数実施
長期滞在では、身体と同じくらい心理面の安定が重要になります。クルーは、人間とコンピューターの信頼(ヒューマン・コンピューター・トラスト)に関する評価、軌道上の感情状態、緊急時の意思決定能力など、複数の心理テストを行ったといいます。
微小重力の物理実験:コンテナレス装置の保守とサンプル交換
微小重力の物理科学分野では、実験設備の保守・点検も重要な仕事です。報道では、コンテナレス実験キャビネット(容器による影響を避け、材料を浮遊させて性質を調べる装置)内の清掃やサンプル交換など、設備維持の作業が行われたと紹介されています。
これまでの経過:2025年10月打ち上げ、12月に船外活動も
神舟21号の有人宇宙船は、2025年10月31日に中国本土北西部の酒泉衛星発射センターから打ち上げられました。さらに、2025年12月9日には任務最初の船外活動(EVA)を完了したとされています。
3カ月を経た現在(2026年2月時点)、筋力維持の取り組み、宇宙医学、心理評価、装置保守が並行して進んでいる点は、長期ミッション運用の「日常」を具体的に映す内容とも言えそうです。
今後の注目点(発表内容から読み取れる範囲)
- 運動・検査ルーティンが、後半の作業負荷の中でも維持されるか
- 薬物動態データが、服薬運用の精度向上にどう結びつくか
- 心理評価が、緊急対応や自動化システムとの協働設計にどう活用されるか
- コンテナレス実験の運用が、継続的に安定するか
宇宙ステーション滞在は、派手な瞬間よりも、健康管理と淡々とした作業の積み重ねで成り立ちます。今回の報告は、その積み重ねが現時点で計画通りに回っていることを示すアップデートになっています。
Reference(s):
China's Shenzhou-21 crew healthy in orbit as mission progresses
cgtn.com








