仏検察がXパリ拠点を捜索、マスク氏を4月聴取へ 捜査拡大の焦点は
フランスでSNS「X」をめぐる捜査が一段と注目を集めています。パリ検察は2026年2月3日、警察がXのパリ事務所を捜索し、イーロン・マスク氏らに4月の出頭を求めたと発表しました。
何が起きたのか(2026年2月3日)
パリ検察によると、フランス警察はこの日、Xのパリ拠点を捜索しました。あわせて、マスク氏と元CEOのリンダ・ヤッカリーノ氏に対し、2026年4月20日の聴取が指定されたとしています。ほかのXスタッフも、証人として呼び出されました。
捜査は「昨年1月」に開始、いま焦点が広がる
検察の説明では、この捜査は検察のサイバー犯罪部門が昨年1月(2025年1月)に開始したものです。現在は範囲が拡大され、以下の疑いを含む「複数の論点」を調べているといいます。
- 児童の性的虐待に関する画像(所持・拡散への関与/共犯の可能性)
- 性的に露骨なディープフェイク(AIなどで作る“本人に見える偽画像・偽動画”)の拡散への関与/共犯の可能性
- 人道に対する罪の否認に関する投稿
- 自動データ処理システムの操作を、組織的グループが行った疑い
きっかけは「アルゴリズムが偏っている」との問題提起
当初の端緒は、フランスの議員による報告だとされています。Xの偏ったアルゴリズムが、自動化されたデータ処理の仕組みの働きを歪めた可能性がある、という趣旨でした。
Grokの投稿も論点に:ホロコースト否認はフランスで犯罪
検察は、その後の拡大理由の一つとして、マスク氏のAIチャットボット「Grok」が、ホロコースト否認にあたる投稿や、性的に露骨なディープフェイクの拡散に関わったとされる点を挙げました。フランスではホロコースト否認は犯罪とされています。
4月20日の聴取は「手続き上は義務」、ただし実効性が焦点に
検察は、今回のような呼び出しは手続き上は義務だとしつつ、フランス国外に住む人物への執行は難しくなる場合があるとも示唆しています。聴取後、当局は捜査を打ち切るか継続するかを判断し、状況次第では身柄拘束などの措置を検討する可能性もあるとしています。
検察「建設的アプローチ」——国内法遵守を促す狙い
検察は声明で、現段階の捜査運営について「建設的なアプローチの一環」であり、フランス国内で運営される以上、Xがフランス法に適合することを最終的な目的としている、と説明しました。
EUでも圧力:先月(2026年1月)に調査開始
XはEU(27の加盟国で構成されるブロック)からも圧力を受けています。報道によればEUの執行機関は先月(2026年1月)、Grokが同意のない性的ディープフェイク画像をプラットフォーム上で拡散したことを受け、調査に乗り出しました。
マスク氏側は「政治的動機」と反論(昨年7月)
一方でマスク氏は、昨年7月(2025年7月)に当初の告発内容を否定し、フランス検察の動きは「政治的動機による刑事捜査」だと主張していました。現時点でX側から今回の捜索・呼び出しに関する即時のコメントは伝えられていません。
プラットフォームに対する規制・捜査が「投稿内容」だけでなく、「アルゴリズム」や「AI生成コンテンツ」へと広がる中、4月20日の聴取が次の節目になりそうです。
Reference(s):
Paris prosecutors raid X offices, summon Musk in multi-count probe
cgtn.com








